約 528,505 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/608.html
前 ――ゆっくり研究家○○さんの講演の準備が終了いたしました。 ――場内は大変込み合っておりますので、お早めに席にお戻り下さい。 館内アナウンスが流れ出すと、パラパラと席に戻る人が増えてきて、開始時間の四半刻後を待たずに全席が埋まった。 次はどんな研究の成果が見られるのか……観客の心は、その一点に集約されている。 緊張感と熱気に包まれた中、研究家が時間通りにゆっくりと現れた。 ――大変お待たせいたしました。これより、ゆっくり研究家○○さんの講演を再開させていただきます。 ゆっくり研究家が演壇に立つと共に、アナウンスが流れる。 講演会第二部は、異様なまでの静けさの中で始まった。 『ゆっくり魔理沙が極限までゆっくりできる話 その2:食欲編』 「先ほどは、睡眠を全く取らせないゆっくりを、映像を使って説明させていただきました」 「次は、食欲の抑制をしたゆっくりを見ていただきます」 「ゆっくり以外の生物……例えば犬や猫、魚でも良いですが、仮に睡眠と性欲をなくしたとしても、食事を取らなければ生命活動を続けられません」 「ただ、ゆっくりに関しては例外です」 「極めて食欲旺盛な事から、一見ゆっくりする以上に食欲を優先すると考えられているゆっくりですが、実は食事を与えなくても生き続ける事は可能なのです」 「これについては、説明するより見てもらった方が分かりやすいでしょう。ここからは、映像で説明させていただきます」 食事をしないゆっくりについて簡単に紹介を終えた研究家は、先ほどの様に映像を映し出した。 一匹のゆっくりまりさが、ぽつんと白い部屋の中でたたずんでいる。 血色は良く、皮はもちもちと柔らかそうなのに、精神的にひどく疲れている様に見えた。 当然の事だ。このゆっくりは、もう一ヶ月も食事を摂っていないのである。 日に一度アンコを入れられ、皮が破れたり薄くならない様に手入れをされているだけで、全く何も口に入れられない生活を送らされている。 確かに生きてはいるし、とても健康だが、ゆっくりも生物である。ものを食べられない苦しみは、他の動物と全く変わらなかった。 「ひょははふひはひょ(お腹空いたよ)……ひゅっふひへひはいひょ(ゆっくり出来ないよ)……」 まりさがしゃべる度に、声と同時に空気が漏れる様な音が口から出てくる。 このゆっくりまりさの口内には、歯が全く生えていないどころか、その痕跡すらなかった。 生まれつき歯がない、奇形のゆっくりである。 「ほはーひゃん(おかあさん)……ほほひひひゅひょ?(どこにいるの)……ひゅっふひひはい(ゆっくりしたい)……」 奇形まりさは寂しさからぼろぼろと涙をこぼすが、優しく頬を舐めてくれる母はここにはいない。 いや、母だけではなく、ご飯を食べさせてくれた優しい姉も、ちょっと意地悪で可愛い妹も、誰もいなかった。 全てと引き離され、今は白い部屋の中で一人、ただ生かされている現状。 奇形まりさは、この一ヶ月全くゆっくりできない日々を送っていた。 「ひゅっふひひはい(ゆっくりしたい)……ほはーひゃん、ほはーひゃん(おかあさん、おかあさん)……」 音のない部屋に、まりさの泣き声だけが響いていた。 「ひゅっ!?」 不意に、奇形まりさの耳に、どんどんと凄まじい音が聞こえてきた。 目の下に、乾いた涙の跡がある。泣き疲れてそのまま眠っていたらしい。 「ひゃひ(なに)!? ひゅっふひひへひょ(ゆっくりしてよ)!」 奇形まりさが何か言うが、気にせずにどんどんという音が近づいてくる。 音の向こうから何かの気配を感じる。恐ろしくてたまらなかった。 「ひゅっふひひへへへ(ゆっくりしててね)! ひゅっふひほっはひっへへ(ゆっくりどっかいってね)!」 そろそろ逃げなければ危ないかもしれない。 それが分かっていながら、奇形まりさはそこから一歩も動かず、ただ音に向かって声を張り上げる。 ――どうせ、これから逃げ切っても同じ生活が待っている。なら、いっその事楽になりたい。 どこかに行ってくれるなら良い。だが、そのまま襲われても楽になれる……その思いから、奇形まりさはその場から動こうとはしなかった。 ぼごんと音がして、壁が大きくひびわれる。 何を言っているのかわからないまりさなど気にしなかったのか、あるいは最初から侵入するつもりだったのか……。 いずれにせよ、奇形まりさはすでに覚悟を決めていた。 「ひゅ……ひゅっふひひゃふひひへへ(ゆっくり楽にしてね)……」 静まり返った部屋の中、息が漏れているだけにも聞こえる小さい声を出して、奇形まりさは黙り込んだ。 何度体当たりしても決して崩れなかった壁が、轟音を立てて崩れ去る。 その向こうから、先端が僅かに削れた黒い帽子がちらりと顔をのぞかせた。 ――あぁ、あれはおかあさんの帽子だ。 ――私に少しでもエサが取れる様になって欲しいって、何度も練習させてくれた帽子の先っぽが削れてる。 「うんしょ、うんしょ……ゆっくりー!」 目の前の光景が信じられず、呆然とする奇形まりさ。 その耳に、懐かしい家族の声が聞こえてくる。 「ゆっくりたすけにきたよ!」 「おねーちゃんだいじょうぶ?」 「みんなでゆっくりちようね!」 お姉ちゃんに妹達。 普通なら数日に一匹は死んでいるというのに、一ヶ月という長い時間が経っても誰一人減ってはいない。 ――夢でも見ているんじゃないだろうか。 目をしばたかせるが、誰も消えていない。まぎれもなく、愛する家族が自分を助けに来てくれていたのだ。 奇形まりさの目が潤み、みるみる涙が溢れ出してくる。 先ほどまでの悲しみのそれではなく、嬉しさによるものがゆっくり流れ出した。 「……ほはーはん(おかあさん)! ひんは(みんな)!!! ひっひょひひゅっひゅひひひょうへ(一緒にゆっくりしようね)!」 この部屋に入れられてから、いくら望んでも手に入らなかった光景がここにある。 あれほど望んだ母が、愛する家族が今ここにいてくれる。 奇形ゆっくりまりさは、皆の下に飛び跳ねていった。 ぺちゃんぺちゃんと、柔らかい音が断続的に聞こえる。 「ひゅははははははははははははは、ひんはぁ、ひゅっふひひひょうへぇぇ(みんな、ゆっくりしようね)」 奇形まりさは、何もない壁や空間に向かって体当たりを続けていた。 「ほはーひゃん、ひゅっふひほはんはへはへへへぇ(おかーさん、ゆっくりご飯食べさせてね)、ひゅははははははははは」 一転、壁に向かって親愛の情を示す様にすりすりと頬を擦り付ける。 「ひんはぁ、ひゅっふひはほほーへぇぇ(みんな、ゆっくり遊ぼうね)」 周りに誰かいる様に、本当に嬉しそうな笑顔で話しかける。 いもしない誰か達と、楽しそうに歌ったり遊んだり、時にはゆっくりしたり……そして、白い部屋に哄笑が響き渡った。 奇形まりさは、狂気に身を任す事で、ようやくゆっくりする事が出来たのである。 映像は、奇形まりさが「ひゅっふひひへひっへへ!」とわけが分からない事を叫んだ所で止まった。 「この歯のない奇形ゆっくりまりさは、今も狂気に浸ったままこの白い部屋にいます」 再び映像が始まり、先ほどの奇形まりさがいた白い部屋が映し出される。 そこでは、まりさがとても楽しそうに虚空に向かって歌を歌っていた。 「ひゅ~、ひゅうひゅ~♪ ひゅひゅひゅ~♪」 先ほどと同じく、もちもちと柔らかそうな皮は変わっていないがやはり行動は異様である。 それでも、家族に向かってひゅうひゅうと歌っている様な仕草は、とても幸せそうに見えた。 「私がこのまりさを見つけた時、奇形のために家族に捨てられそうになっていました」 「姉妹ゆっくりどころか、親ゆっくりからさえいじめられ、酷い有様でした」 「余談ですが、このゆっくりの家族の一匹が先ほどの睡眠欲の抑制に成功したゆっくりまりさです」 そーなのかーとどこかから聞こえてくる声を無視して、研究家は説明を続ける。 「……実の家族からも見捨てられた奇形まりさですが、この食欲の抑制実験に際しては本当に役に立ってくれました」 「最初に申し上げましたが、この奇形まりさはまだ生きて白い部屋にいます」 「つまり、ゆっくりは食事を摂らなくても、一定の中身さえ維持する事が出来ていれば永久に生き続ける事が可能なのです」 「さて、次はもう一つの成功例をご覧になっていただきます。今回は歯もあり、音も聞こえる普通のゆっくりを使用しました」 言葉を切り、何か合図をする研究家。合図に従い、ゆっくりと映像が始まっていった。 次は、どんな事になるのか……講演の間も、映像が流れている間も話し声一つ聞こえなかった会場内に、静かに興奮が満ちていく。 そんな興奮をよそに、一匹のゆっくりまりさが、きょろきょろと不安そうに辺りを見回している映像が流れ出した。 ゆっくりまりさは、困惑していた。 当然の事だ。 寝る前まで巣で家族と一緒にゆっくり眠っていたのに、今は全く別の場所にいるし、辺りを見回しても誰もいない。 そんな状況に置かれてしまえば、人間でも困惑するだろう。 「ゆっ……ゆっ……おかーさーん、おねーちゃーん、おちびちゃーん……みんな、ゆっくりどこいったのぉ?」 不安そうに周囲に問いかけるが、返事はない。 母も姉も妹も、気持ち悪い歯なし……奇形で歯のないゆっくりまりさを、このまりさはそう呼んでいる……すらもいない。 その後も何度か飛び跳ねて呼びかけるが、何の答えもないため、ゆっくりまりさはとうとう泣き出した。 「みんなどごにいるのおおおぉぉぉ! ざびじいよぉ! ゆっぐりでぎないよぉぉぉ!!!」 反射音がわんわんと耳をつんざくのも気にせず、ゆっくりまりさはしばらく泣き続けた。 「ゆっく……みんなをさがすよ!」 しばらく泣き続けたゆっくりまりさは、誰もいない事を悟り、とにかく誰かを見つけようと動き出した……が、すぐに止まる。 「そのまえに、おいしいものたべるよ!」 腹が減っては戦が出来ぬとばかりに、辺りに食物がないか探し出すゆっくりまりさ。 「ゆっゆ~♪ むしさんくささんでておいで~♪ あまぁいいちごさんはでざーとだよ~♪」 即席の下手な歌を歌いながら、楽しそうに食物を探し続ける。 「どうじでぇ!? どうじでごはんがないのぉ!?」 半刻ばかり経っただろうか。どれだけ探し続けても何もない事に、愕然とするゆっくりまりさ。 辺りを再び見渡す。 「ゆぐぅっ!? なにここおぉぉぉ!!!」 そこは、食べられるものどころか、土も岩も風もない、無機質な部屋だった。 誰もいるわけがない。隠れられる場所がないのだから。 また、何も食べるものもない。何もないガランとした部屋なのだから。 ゆっくりまりさは恐慌をきたした。 「だずげでぇぇぇ!!! だれがだずげでぇぇぇ!!!」 叫びながら壁に体当たりを仕掛けるが、饅頭の柔らかい体では、ぺちぺちと音を立てるのが精一杯。 それでも、何度も何度も体当たりをする。 ここはいやだ、ゆっくりできないし、しあわせにもなれない。その思いから、ゆっくりまりさは必死に壁に体当たりを続けた。 「ゆぅ……おなか、すいたよ……」 ぺちんぺちんと、柔らかいものがぶつかる音が止まった。 何度も何度も壁にぶつかり続けたせいで、ゆっくりまりさは疲労の極地にいた。 もう、僅かにも動く事すらできない。ただ、死を待つばかりである。 「だれか……たべもの……なんでもいいから……」 あえぐ様に、いない誰かに救いを求めるが、答えはない。幻聴すら聞こえない。 ゆっくりまりさの心は、絶望に包み込まれた。 「もっと、ゆっくり、したかった……よ」 呟いて、そのまま動かなくなる。 皆と再会できないまま、ゆっくりまりさは静かに眠りに付いた。 「ゆー……ゆっ?」 がば、と跳ねるゆっくりまりさ。 先ほどとは違い、体中にアンコが満ちている様な元気を取り戻していた。 「ゆっ! これならかべもこわせるよ!」 饅頭が何度ぶつかっても壊れる壁ではないが、まりさは自信満々に頷き、何度も壁に体を叩き付けた。 ぺちんぺちんと音が響く。 何度も何度も、諦めず続けているその姿は、風車に挑むドン・キホーテの様だった。 「ゆっ……おなかすいたよ……」 ぺちん、ぺちん……ぺちん。 饅頭が壁にぶつかる音が断続的になり、やがて止まる。 そしてまた、まりさは眠りについた。今度は、助けを求める事はなかった。 「ゆっ!? またげんきになってるよ! なんで?」 不思議そうに起き上がるまりさ。その体は、アンコに満ち溢れていて、つやつやとしていた。 「よくわからないけど、げんきになったからここからでるよ!」 明らかに異常だというのに、気付かないのはゆっくりだからだろうか。 その後も、まりさは壁にぶつかり続け、疲れ果てて眠るたびにまた復活し、壁にぶつかり続けるという行動を延々ととり続けた。 どれだけの時間が経ったろうか。 またぞろ復活し、壁にぶつかろうとしていたゆっくりまりさの後ろ側で、ガタンと音がした。 「ゆっ!?」 何事かと振り向くまりさ。 見ると、手に何か器らしきものを持った人間が立っていた。 ――ニンゲンだ! ゆっくりできない! 人間は危険なものだと、誰かから教えられたのだろうか。 まりさは壁に張り付くほど後ろに下がり、警戒の色を隠そうともせず膨らんで威嚇した。 「だれ!? ここはまりさのゆっくりプレイスだよ! じゃましないでね!」 あれだけ出たいと思っていた場所をゆっくりプレイスだと言う。 この忘れやすく楽観的な性格が、饅頭でしかないゆっくりの生き延びる秘訣とでも言えるのだろうか。 「……」 「ゆっ! こっちこないでね!!!」 威嚇されても何も気にする必要はない人間は、無言で近づいてきた。 ゆっくりまりさは、恐怖で縮みそうな体を必死で膨らませつつ、虚勢を張る。 後一歩踏み出せば攻撃されるという場所まで来て、不意に人間は止まり、手に持った物を置いた。 「食べろ」 「……ゆぅ?」 不思議そうにするゆっくりまりさの事は、もう関係ないと言わんばかりに、そのまま去っていく人間。 「……ゆ、ごはん? ゆっくりたべられるの?」 そろそろと近づき、器の中身を覗く。 ゆっくりまりさには分からないが、人間も食べられる食料がたっぷりとあった。 「ゆっ! ごはんごはん! ゆっくりたべるよ!」 先ほどまでの慎重さなどどこかに消え去ったとばかりに、ごはんに貪りつくゆっくりまりさ。 「むーしゃ、むーしゃ……ぶふぇぇ!!! な”に”ごれ”ぇぇぇ!!!」 まずは一番近くにある何かと思い、口にした瞬間吐き出してしまう。 毒かとも思うが、何か違う。毒はこんなに美味しくない。 その思いから、何度も食べようとしては吐き出す事を繰り返すゆっくりまりさ。 あまりに何度も食べようとしてえづくゆっくりまりさを、人間は興味深そうに眺めた。 「ゲェ、エ゛ホッ! ……お”じざん! ごれ”だべら”れ”な”い”よ”!」 何度も何度も食べようとしては吐き出し、これは食べられないものだと判断したらしいゆっくりまりさは、とうとう人間に食って掛かった。 人間は「そうか」とだけ残して部屋から去っていく。 「はやくたべられるものもってきてね! はやくしてね!」 先ほどとは違い、怒りの感情から膨らむゆっくりまりさの頭から、人間が危険な存在だという知識はすっぽりと抜け落ちてしまったらしい。 はやくはやくとねだるその姿は、ふてぶてしい普通のゆっくりまりさそのものだった。 「おそいよ! はやくごはんたべさせてね!」 数分後、別の器を持って現れた人間に対し、ゆっくりまりさは待ちくたびれたとばかりに何度も体当たりをした。 だが、そんなまりさの抗議を人間は涼しい顔で受け流しつつ、器からエサを一欠け取り出し、口に入れた。 食べられる、という証拠を見せ付ける様に、もぐもぐと口を動かし、飲み下す。 それを見たゆっくりまりさは「ゆっくりいただきます!」と叫び、そのまま器に飛びついた。 「むーしゃ……ぼふぅぅぅ! ゆぐっ!?」 また吐き出してしまった。味は美味しいのに、食べられない。 だが、人間が食べているのだから食べられるはずだ。 その思いから、ゆっくりまりさは何度も食べようと試みた。 「エ゛ホッ、エ゛ホッ……ヴォエ゛エ゛エ゛ェェェ……どう”じでだべら”れ”な”い”の”お”お”お”ぉぉぉ!!!」 食べようとしては吐き戻す。 その行為を何度も繰り返し、まりさはどうしても食べられない事にパニックを起こした。 「お”い”じい”の”に”ぃぃぃ! じあ”わ”ぜに”な”れ”な”い”よ”ぉぉぉ!!!」 食べようとする、吐き戻す。 食べようとする、吐き戻す。 あまりにも何度も吐き戻したせいで、食べているというのに逆にやせ細ってしまっている。 それでもゆっくりまりさは、すでに吐しゃ物の方が多くなっている器に、必死に喰らい付いていった。 不意に、人間がゆっくりまりさを持ち上げた。 「じゃま”じな”い”でぇぇぇ! ごはんだべる”の”ぉぉぉ!!!」 じたばたと暴れるゆっくりまりさの、耳と思われる部分に口を近づけ、人間は一言囁いた。 「お前、もうご飯食べられない体になってるぞ」 その言葉を聞いた途端、ゆっくりまりさは驚愕の表情で固まった。 ――ごはんがたべられない? なにいってるのこのおじさん? ばかなの? ゆっくり特有のふざけた事を考えつつ、ゆっくりまりさは下を眺めた。 そこには、アンコの吐しゃ物にまみれた器がある。 中のごちそうは千切れたりもしているが、全体の容量としては減ってはいない。 ただ引き千切って、アンコをかけただけにすら見える。 ゆっくりまりさは、アンコまみれのそれを見ながら、今さっきの事を思い出していた。 これを食べている時、いや、食べようとした時に、飲み込んでいたか。 もうごはんたべられない……まりさのアンコに、ゆっくりとその言葉が染みこんでくる。 まりさはわなわなと震えだした。 「ゆ……ゆ……ゆっぐりぃぃぃ!!!」 そんなまりさを冷たい目で眺めながら、男はまた囁いた。 「そんなにショックを受ける事はないだろう……お前は、もう食事をしなくても生きられるんだぞ?」 「なにいっでるのおじざん! ごはんだべなぎゃじんじゃうよ! ばがなのぉ!?」 顔中を涙とよだれと謎の液体でぐしゃぐしゃにしながら叫ぶゆっくりまりさ。 食事を摂らなくては死んでしまう。 生物にとっては当たり前、常識以前の問題である。だが、ゆっくりは常識の通じる生物ではない。 「じゃあ、お前は何で今生きている?」 「ざっぎまでごはんだべでだがらだよぉぉぉ! いやぁぁぁ……じにだぐないぃぃぃ!!!」 男はため息をつき、混乱しているゆっくりまりさをその場に放り出した。 「ゆぎゅ!? ぐ……ぐ、ちゃんとしたごはんよごぜぇぇぇぇぇ!!!」 即座に男に飛び掛ってくるゆっくりまりさを片手で押さえつけ、虚空に向かって何か合図をする人間。 壁の一部にパッと光が差し、まりさにとって信じがたい映像が映し出される。 眠ったゆっくりまりさの下に、人間たちがやってくる。 その人間達は、ゆっくりまりさの帽子を取り、そのまま何かの機械を差し込んでアンコを注入する。 注入し終えたら機械を抜き、機械の入っていた部分を含め、表面の傷ついた所に練った小麦粉を貼り付ける。 触ってみて、問題ないと思えるまで回復した所で、人間達は部屋を後にする……。 ゆっくりまりさは、その映像をただ黙って見ていた。 「ほら、これならお前は死なないだろう?」 人間が何か言っているが、ゆっくりまりさの耳には届かない。 あまりの光景に言葉を失ったらしく、がくがくと震え出した。 「なに、これ……おじさん、まりさになにしたの……」 問いかけるゆっくりまりさに、初めて笑顔を向け、人間は答えた。 「お前が食事をしなくても死なない様にしてやったのさ」 嬉しいだろ? などと問いかけながら、人間はゆっくりまりさのほほをなでた。まりさのほほがつぶれない様にと、慎重で優しいなで方。 だが、まりさにはそれすら禍々しいものに思えて、悲鳴を上げた。 映像は、ゆっくりまりさが絶叫をあげた所で止まった。 「このゆっくりは、現在も正気を保ったまま生きています」 再び映像が流れる。 そこには、必死の形相で壁に体当たりを続けるゆっくりまりさがいた。 「いやだ、ここはゆっくりできない、ここをでたらごはんたべられるよ、はやくはやく……」 ここから出られたらゆっくり出来る、食事が摂れる……どちらももう叶わない事だが、ゆっくりまりさの頭にはそれしかなかった。 その姿は狂気とも思えるが、ゆっくりまりさの目には知性がある。 「はやくはやく……ゆ、つかれた……ゆっくりやすむよ」 疲れたらしく、ゆっくりまりさは一旦休んだ。 だが、眠る事はしない。 眠ってしまえば、またあんな事をされてしまう……ゆっくりまりさは、絶対に眠りたくはなかった。 映像は、ゆっくりまりさがギリギリのところで眠りを堪えている所で止まった。 「このゆっくりまりさは、元々別の実験に使用しておりましたが、今回の『食欲』実験にも使えると思い、現に成功を果たしました」 「また、このゆっくりは睡眠も克服しています。あの映像を見せた恐怖からでしょうか、全く眠ろうとしません」 「睡眠欲と食欲を克服したゆっくりまりさ……それが、このゆっくりなのです」 「それでは、次の映像の準備などのため、これから四半刻の休憩を挟ませていただきます。少々お待ち下さい」 判を押した様に先ほどと全く同じ事を言い、一礼をする研究家。 そのまま脇に下がると同時に、館内放送が響き渡る。 ――これより、四半刻の休憩を挟ませていただきます。 ――休憩中の出入りは自由となっております。厠などを済ませて下さい。 館内放送が流れても、人々はほとんど動かなかった。 先ほどの映像について、周りの者と様々に意見を交わし合う。 次の説明まで四半刻、会場の熱気はまだまだ収まりそうにない。 研究家は、それを脇から眺めながら、満足そうに頷いていた。 虐待スレ何人かのファンの期待に答えまして、第二回講演を書き上げました。 予定では後二回ですが……ちょっと苦しくなってきたかも。 とりあえず、最後までの構想は固まっているので、お付き合いいただけると幸いです。 by319 続 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5105.html
いじめ要素のない小ネタです ここはとあるゆっくりの群れ、その中にある長のおうちだ。 この群れは多少変わった群れだった。群れという形を取ってはいるが、よくあるゆっくりの群れのように一匹の長やドスが全てを取り仕切っているわけではない。 元々小さな群れが他の群れを吸収してきた事もあって、「群れ」の中に5つの「むれ」があり、それぞれのむれの長が自分のむれを治める。 そして群れ全体に関わる重要な事は格むれの長や幹部が中央のむれに集まって行われる「ゆっくりかいぎ」によって決定されていた。 このような仕組みになった理由としては、この地域が山や崖や川などでゆっくりにとって交通が困難だったことが挙げられる。 群れとしての力を外にアピールするために複数のむれが合体したが、むれ同志の交流はむれの長の命による交流以外は特にもたれていなかった。 便箋上は最初に群れと群れを合体させようと発言したぱちゅりーがこの群れのリーダーだとされているが、そこは頭のいいぱちゅりー。 「むれどうしがあるていどどくりつしているいじょう、ちがうむれのたちばもそんちょうするべきよ」とかいって会議の際の発言力は他のむれの長と同じだった。 そして今日も会議が始まった。季節は秋、冬篭りに向けて、重要議題の最終調整をするのが目的だった。 ちなみに群れには群れのリーダーであるぱちゅりーを長とする「ぱちぇむれ」 れいむを長とする「れいむれ」 まりさを長とする「まりむれ」 みょんを長とする「みょんむれ」 ちぇんを長とする「ちぇんむれ」 の5つがある 「それではこれからゆっくりかいぎをはじめるわ!!まずはぱちぇむれからぎあんをていしゅつしてほしいわ!!」 便箋上群れのリーダーであるぱちゅりーの側近で、会議の進行役であるありすがぱちゅりーに発言を促した。 「むきゅう、それじゃあ、ぱちぇむれとしてはつぎのあんをていしゅつするわ」 群れの外のまりさの群れのこの群れへの併合 ぱちぇむれの出した提案とは、この群れと境界が接触しており、群れへの合流を希望していた若いまりさの群れを群れに入れるかどうかだ。 「みんらのたちばといけんをそんちょうする」この群れでは、おかしなヤツを仲間にするとおかしな意見が群れを動かす羽目になりかねない。 そのため、群れ同士で交流を結んでから何度か格むれから「ちょうさだん」を派遣し、群れの実態の調査も行っていた。 ぱちゅりーとしては、若い固体が多く居て、発展途上のこの群れを仲間に加えれば将来的にこの群れにも大きなプラスになると考え、合流を許可する事を提案した。 「まって!!ちぇんむれのいけんとしてはそのあんにはんたいだよー!!わかるよねー!!」 信用できる群れではない それがちぇんむれの見解であった。 ちぇんむれの調査団が若いまりさの群れを調査したときに、この群れのありす種が他のゆっくりに比べて一回り小さい事がちぇんのなかでは疑問に残っていた。 若いまりさは「うちのむれのありすはすこしごはんをあつめるのがへたなんだぜ!!ゆへへ!!」と、笑ってごまかしてはいたが、おうちの入り口から顔を覗かせていた子ありすの顔を見たちぇんは解かっていた。 この群れではありすへの差別が平然と行われている。 そんなやつが長をやっている群れをこの群れに加えるのは群れにとってマイナスが大きい。ちぇんはそう判断した。 「むきゅう・・・じゃあみょんむれに、つぎのぎあんをていしゅつしてもらうわ・・・」 「みょんむれとしてはつぎのあんをていしゅつするちんぽ!!」 ぱちぇむれからみょんむれへの援軍の追加派遣 みょんむれは他の群れと境界が接している。友好的な群れなら、ある程度の交流を持つが、運の悪い事にその群れは敵対的な群れだった。 めーりんを主力としたそれは毎日何の前触れも無く、群れ境のゆっくり家族を襲撃し、おうちに押し入り、なかの家族を皆殺しにし、ごはんや宝物を奪っていく。 みょんむれの長が群れ境からの音信が途絶える異変に気づき、自警団を組織したときにはみょんむれの5分の1が制圧され、その地区のゆっくりは殺されるか、奴隷としてこき使われているらしい。 組織的な全面戦争に発展したが、友ゆっくりを奴隷にされているゆっくりも居てみょんむれの士気は高くない。 もう秋だというのに敵の勢いは納まらず、群れとしては冬篭りの準備にもゆっくりを割かれる。今は何とか食い止めているが、このままではいずれ押し切られてしまう・・・ そう判断したみょんはぱちぇむれに増援を要求したのだ。 「ぱちぇむれとしては、みょんむれのあんにさんせいよ」 みょんむれの興亡は群れ全体の存亡に関わる もしここでみょんむれが敗れれば、次はぱちぇむれか、ちぇんむれが敵の目標になるだろう。 みょんむが何度か試して失敗している以上、話し合いは望めない。 みょんむれが敗れるのが秋でも、次の春でも。十分な抵抗準備をする時間はないだろう・・・ そのため、ぱちぇむれはみょんむれへの増援の派遣を決定した。 「じゃあ、つぎはれいむれにつぎのあんをていしゅつしてもらうちんぽ!!」 「れいむれとしては、つぎのあんをていしゅつするよ!!」 まりむれから、れいむれへの食糧支援 今年、れいむれの領土は不作だった。 元々れいむれの領土は岩肌や洞窟が多く、他の群れとの戦いには有利だが、食料があまり取れない場所だった。 今まで何とかやりくりしていたが、このままでは多くのゆっくりが冬を越せない。そう判断したれいむは比較的肥沃な土地を持つまりむれに、食糧支援を要請したのだ。 「まりむれとしては、れいむれのあんにはんたいなんだぜ!!」 そのような余裕は無い まりむれとしては、冬篭りを前に不安要素が一杯だった。 確かに備蓄食料は多い、だが万が一の事を考えると・・・正直、れいむれまで運んでいくわけには行かなかった。 「ゆゆ・・・じゃあちぇんにつぎのあんをていしゅつしてもらうよ・・・」 会議が始まってから3時間が経過した。 賛成され、決定した案もあったが、どうしても通らない案も出てくる。各むれの長たちはその場で思いついた提案をしたり、少し修正した案を出したり、さっきとまったく同じ案を出したりしていた。 もともと、ゆっくりというのはのんびりとした生き物だ、長時間頭を使い、考え込む事は人間だって得意じゃない。 会議に参加しているゆっくりたちもぱちゅりー以外は知恵熱を出し始め、顔が赤くなっているものもいた。 「ありす」 ぱちぇむれの長が進行役のアリスに声をかける。 「ええ・・・みんな、きょうのかいぎはこれまでとするわ、みんなしゅくしゃにかえってあしたのかいぎのじゅんびをするのよ」 ありすが会議の中断を決定し、今日の会議は少数の議案が解決しただけでお流れとなった。 殆ど進展の無い会議は毎日続き、会議の最中に冬が来た。 冬に長が居ないことによる混乱、援軍が派遣されなかったことによるみょんむれの壊滅、食糧不足によるれいむれの全員餓死などが重なり、この群れは翌年の春、崩壊した。 あとがき 元ネタはSFCソフト「提督の決断」の会議シーンです。 海軍側(プレイヤー)の出席者の「作戦」の数値が低いと 海軍が作戦目標提案→「陸軍としては海軍の意見に反対である」→「陸軍としては次の案を提案する」→陸軍が到底無理な目標提案→反対を選ぶ→最初に戻る のループが延々と続くゲームです。音楽は神曲といってもいいと思います。 音楽1、システム3ベースのリメイクとかでないかなぁ・・・ 10月6日 2225 セイン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5375.html
ここはゆっくりと人間の共存する世界。 ゆっくりは人間の部下として日々戦っているのだった・・・ おや?どうやらまたここで争いが起こるようだ・・・ 俺のターン!ドロー! 俺はゆっくり霊夢を召喚! 「ゆっくりしていってね!」 さらに設置魔法「ゆっくりプレイス」を発動! このカードがフィールド上にある限り、自分の場にある「ゆっくり」と名のつくモンスターの攻撃力と守備力は500ポイントアップ! カードを2枚伏せてターンエンド! 僕のターン!ドロー! 僕はゆっくり魔理沙を召喚! 「そんな装備で大丈夫ダゼ!」 さらにゆっくり魔理沙を生贄にする! そしてゆっくりれみりゃを特殊召喚する! 「うー!れみぃはれみぃなんだどー!」 このカードは自分フィールドに「ゆっくり」と名のつくモンスターがいる場合、そのモンスターをリリースして召喚出来る! 「れみりゃだぜー!ゆっくりできないぜー!」 「うー!あまあまだどー!」 「ゆぎゃあああ!はなすんだぜーー!」 「うー!いただきますだどー!」 「ゆああああああああああああ!??!」 「もっと」 「ゆ・・っぐ・り」 「じだ・がっ・・」 バクリ 「うー!ごちそうさまなんだどー!」 さらにこのカードは特殊召喚されたターン、相手の「ゆっくり」と名のつくモンスターを無条件で破壊出来る! 「うー!美味しそうなんだどー!」 「れみりゃだー!ゆっくりできないー!」 「れいみゅを食べても美味しくないよー!」 「うー!いただきますだどー!」 「ゆぎゃあああああああああああ!」 かかったな! トラップ発動!「ただならぬ爆発」 このカードはモンスターが破壊されたとき、相手のモンスターを破壊する! 「うー?」 プクーーーー 「うーーーー!!ぽんぽんしゃんいたいどーーー!!」 プクーーーー 「うーーーーー!!!ぽんぽんしゃんばくはつするどーーーー!!!」 ボン! さらに相手に500ライフポイントダメージを与える! プレイヤー2残りライフ 3500 ! チッ・・仕方ない・・ カードを1枚伏せてターンエンド! 俺のターン!ドロー! 俺はゆっくりパチュリーを召喚! 「むきゅ!」 さらに魔法カード「死者蘇生」発動! 墓地のゆっくり霊夢を特殊召喚! 「ゆっくりしていってね!」 そしてゆっくりパチュリーとゆっくり霊夢でシンクロ召喚! 俺はゆっくりチルノをシンクロ召喚! 「さいきょー!」 さらにゆっくりチルノの効果で、シンクロ召喚に使ったモンスターを全て守備表示で召喚! 「むきゅ!」 「ゆっくりしていってね!」 直接攻撃! 「あたいーーー!」 うわーーーー! プレイヤー2 残りライフ 2000 ターンエンド! 僕のターン!ドロー! ん? いいカードが来たぞ! 俺はゆっくりアリスを召喚! 「とかいはー」 ゆっくりアリスの効果発動! 相手の「ゆっくり」と名のつくモンスターを 全て破壊する! 何だと! 「んっほおおおおおおおお!」 「れいぱーだー!ゆっくりできないよー!!」 「むっきゅーーーーーーーーーー!」 「んっほおおおおおおおおおお!!!」 「すっきりーー!」 「もっとゆっくりしたかった・・・」 「むっきゅーーー!?えれえれえれ・・」 「んっほおおおおおおお!」 「むっきゅーーーーー!」 「んっほおおおおおお」 「すっきりーーー!」 「むきゅぅぅぅぅ・・」 ゆっくりチルノの効果発動! 1ターンに一度、自分へのモンスター効果を無効化する! そして相手は次の相手のターンまで攻撃できない! 「さいきょーーー!!」 「んっほお」 カチン 「ん・っほ・・お・」 ゆっくりもこうの効果発動!自分のモンスターの効果が無効になったとき、自らを召喚する! 「もっこーーー!」 そして相手のモンスターの効果を無効にし破壊する! 「もっこーーー!」 「さいきょー!?」 「もっこーーーーーー!!」 「さ・・い・・きょ・・・ー」 ゆっくりもこうとアリスで攻撃! 「もっこーーー!」 「んほーーーーーー!」 ぐわあああああああ! プレイヤー1 残りライフ 2000 俺のターン!ドロー! 俺は墓地にあるカードを全てゲームから除外し、 ゆっくりみょんを召喚! 「みょーーーん!」 このカードは魔法、トラップカードの効果では破壊されない! 何ぃ! さらに魔法カード「ブラックホールを」を発動! フィールド場のカードを全て破壊する! 「もっこーーーーーー!?」 「んっほおおおお!??」 ゆっくりみょんは魔法の効果では破壊されない! さらに魔法、トラップカードの効果を受けた際、 このカードは2回攻撃出来る! 何だと! ゆっくりみょんの攻撃力は1000!二回攻撃で2000ポイントダメージだ! くっ・・ くらえ!ゆっくりみょんで攻撃! 「みょーーーーん!はくろーけんのさびにしてやるみょん!」 うわああああああ! プレイヤー2 残りライフ 0 プレイヤー1 WIN よっしゃーーー! あーあ、負けちゃったけどいい勝負だったよ 「やれやれ・・この戦いの目的はゆっくりの虐待にあったのだから勝ちも負けもないだろう・・ こんな無意味な戦いを続ける人間とは・・」 「おお、あわれあわれ」 続く・・・かも? 拙い文になりましたがまあ始めて書いたものなんでつまんないよと思う人もいるかもしれませんが、これからも精進し続けていきますのでどうか応援をよろしくお願いします! by No.13
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3133.html
注:いじめ成分が物凄く薄いです 注:ゆっくりが汚いです(うんうんやしーしー描写じゃ無く、精神的な物でも無く) 注:ゆっくりが現代の町で生きる物です 注:お兄さんは虐待鬼意山じゃないです 注:かといって愛で兄いさんでもないです 注:他の人のSSとネタが被ってる気がします 漫画喫茶から帰る途中、月を見ながら歩いている俺の耳に変な音が聞こえた なんだなんだ?と思って音の発信源に近づいてみる暇人な俺 その俺の目の前のゴミ捨て場に、ゆっくりれいむと、ゆっくりまりさが居た 中身が散乱したゴミ袋が周囲に散ばる中で何やらもぞもぞしている ゴミ漁りをしているのだろうか?町のゆっくりがするには珍しくも何とも無い行動ではある……のだが 「じゃまなごみさんはいらないよ!」 「そうだね!たべられないごみさんはゆっくりしないでどっかいってね!」 ………カラス以上にゴミを辺りにぶち撒けまくるなぁ しかも、事ある毎に大声で叫びやがる。今何時だと思ってやがるんだあいつら? 夜中の3時。草木も眠る丑三つ時である。寝てる人に迷惑をかけるな 昼にゴミ捨て場に来ると叩き出されるから、人が寝静まった夜に来る程度には知恵が回るみたいだが… 大声出しちゃ意味無いだろと。まあ、これも、町のゆっくりとしては珍しくもない行動ではある ……ゆっくりを対象とする条例を政府の人には作ってもらいたいものだ。ゆっくりに対してだけ非常に厳しい物を と、そんな事をつらつら考えながらゆっくりを離れた所から見ている俺 折角の連休を、こんな無駄な事に費やして良いのかしらん。家で寝てた方が有意義な気がする 「ゆゆっ!?あまあまさんがいっぱいはいってるよ!あかちゃんたちにももってこうね!」 「すごいねまりさ!おうちにかえってゆっくりたべようね!」 仲が良さそうだしあの二匹は夫婦かな?会話の内容から察するに子供も居るようだ ………うん?普通なら妻の方は巣で子供達の世話をしてるんじゃないのか? 巣を空にするとは子供達が危なくないか? と考えていると、疑問に対する答えが当の本人達から都合よく返ってきた 「ゆぅ……れいむ。おうちのあちびちゃんたちだいじょうぶかなぁ?」 「だいじょうぶだよまりさ!ねむってるかわいいおちびちゃんたちはあぶないめになんてあわないよ!」 …相変わらず謎思考全開だ まあ、ゆっくりの基本形の一つだから不思議ではな……ちょっと待てよ!? よく見るとあいつら……昼間にスーパーの前で物乞いして、バイトにぶん殴られたゆっくり達じゃないか! ゴミ漁りすると人間に殴られるから、昼の間は物乞いをする事にしたんだろうかな? しっかしそれにしても、バイトに箒で殴られて追い払われる時に子供も一緒に居たはずだけどなぁ それに、逃げる途中で子供が数匹車に潰されてたはずなのに……起きてる時は危ないけど寝てる時は平気って、どんな妄想力やねんと 一瞬ツッコミの声が出かけるとは…ゆっくりのボケは凄い物があるな 「そうだね!じゃあゆっくりかえろうねれいむ!」 「うん!わかったよまりさ!」 ん。どうやら巣に帰るらしい まりさの帽子の中にあまあまさん(千歩譲っても俺の目には食い物に見えん)を入れると跳ねて行く ぽいんぽいんと…本当に間が抜けた音を立ててるなぁ 生暖かい目で見ながら尾行しようとすると、唐突にゆっくり夫婦が止まった む?もしかして気付かれたか!?と一瞬体が硬くなった俺 だが、そんな事は無かった 「「ゆっくりかえったよ!!ゆっくりしないではやくゆっくりおきてね!」」 ゆっくり夫婦の一際大きい声。静寂な夜気を引き裂きまくりです 離れてる俺の耳もキーンと鳴るぐらい大きい……とても近所迷惑です 「ゆ……ゆゆ」 「ゆーっ…わかったよおかあさん!」 って!?何か出て来た!? 「ゆゆ…おかーしゃん、おかえりゅなさい…」 「おとうさんもおかえりなさい!」 目の前の自販機の裏から這い出てくる。なにかこぎたないの 昼間見た赤ゆっくりと子ゆっくりの生き残りだろうかね。しかしうすぎたない 赤ゆっくりが物凄く眠たそうにしてるのは、やはり赤ん坊だからか。それにしてもきたねーな つか、ゴミ捨て場からメッチャ近っ!ほんとうにきたないさすがきたない 「おかーしゃん…あまあまさんとってきてくれた?」 「かわいいおちびちゃんのためにとってきたよ!ゆっくりたべてね!」 「ゆー、まりさもゆっくりたべたいよ!」 「いっぱいあるからゆっくりたべてもだいじょうぶだよ!」 「ゆ!?それほんとう!?へぶんじょうたい!」 「「「「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!!!!」」」」 …………もしかして、ここが巣なのか? 自販機の裏だから冬になっても安心快適!なのは分かるし ゴミ捨て場が近くにあるから、餌の心配もしないで良いのは分かるけど…… 「朝になったら保健所に連絡しよう……」 そう心の中で固く誓いながら家に帰る俺であった。あー嫌なもん見ちまった <おわり>
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1731.html
遭ゆっくり 9KB 虐待-普通 制裁 自業自得 差別・格差 飾り ツガイ 群れ 野良ゆ 赤子・子供 希少種 自然界 都会 現代 虐待人間 うんしー ぺにまむ 感想・批評・ツッコミを頂けると幸いです 遭ゆっくり 遭難 災難に出あうこと。特に山や海等において、自力での帰還が不可能になった状態。 「遭難した…」 男は倒木に腰掛、鬱蒼と生い茂る木々を見上げながら呟いた。 男が後悔と共にその呟きを口に出すことになったのは、軽い気持ちが原因だった。 軽い気持ちで連休に日帰り予定で、山に登った。 軽い気持ちで山頂に続く一本道の登山道を離れ、森に入った。 軽い気持ちで来た為に、地図も磁石も持っていない。今いる場所がどこか分からず、麓もどちらか分からない。 軽い気持ちでの行動の結果は、道に迷って戻れないという深刻な状態を生み出した。 山の中で夜を明かした男は、闇雲に歩を進めていた。 遭難した時には無闇に歩き回らず、体力の消耗を避け、救助を待つべきという知識は男も持っていたが、男には救助が間に合うとは思えなかった。 男が山に来たのは、日々の煩わしさから己を遠ざける為だった。故に携帯電話も持ってきていない。 周囲が男の異常に気付くのは、休みが明けた後だろう。水はまだ残っているが、食料はすでに食べ尽くしていた。 もともと小腹がすいた時の為に持ってきていたものだ。まともな食事は登山道沿いにある店でとる予定だった。 「た、す、け、て、く、れえぇーーーっ!!!」 男はすきっ腹に響く大声で、何度目かも分からぬ助けの求めを叫んだ。 返事は聞こえてこない。 すでに水も尽きた。男は何かの役に、と思い、小便を水筒に溜めてはいたが、飲む踏ん切りはついていない。 疲労も溜まり、体力気力も萎え始めていた。 そんな時、男の目に光が差し込んだ。森が途切れている。 何か見えるかもしれない。変わり映えのしない日々に変化を求める囚人のように、男はそこに飛び込んだ。 広場に出た。野球場とまではいかないが、テニス位なら楽に出来そうな大きさの広場だ。 地面はむき出しではなく、丈の短い草が生えている。向こうには土を堀り返した、畑のようなものが見える。 畑、畑だ。畑を作るような動物はいない。人の手が入ったものがあるのなら、人がいるかもしれない、と男は考えた。 しかし、期待に満ちる男の前に現れたのは、ゆっくりだった。その姿は男が普段、町で見かけるゆっくりとは違っていた。 畑に生えている花を見つめている、緑の髪に飾りを持たないゆっくり。 木の根元で昼寝をしている、赤い髪に飾りを持たないゆっくり。 跳ね回る、目玉のついた帽子をかぶったゆっくりと、それを追いかける、青い髪に尖った氷のような羽を持ったゆっくり。 笑いながらその光景を見ている、金色の髪に赤いリボンを着けたゆっくり。 「じゃお!」 そして、男に声をかけてきた、赤い髪に緑の帽子をかぶったゆっくり。 疲労と期待の反動で足の力が抜けた男は、その場に座り込んだ。 「じゃお?」 目の前のゆっくり-ゆっくりめーりんがどうかしたのか?と言わんばかりに男の顔を覗き込む。 男は力無くめーりんの頭を撫でる。口からは溜息が漏れた。 「どうしたの?」 花を見ていたゆっくり-ゆっくりゆうかがいつの間にか、こちらにやって来ていた。他のゆっくりも男の周りに集まってきている。 男は一縷の望みをかけて、ゆうかにこの近くに人がいないかを問うた。 「そーなんかー」 男の説明の後、ゆっくり達は互いに知らないか聞き合った。 「にんげんさんにあったのはあなたがはじめてよ。ここにひとはいないわ」 だが、男の期待した返事は返ってこなかった。がっくりした男の腹の虫が鳴く。 「おなかがすいているの?」 「ああ、情けないことにな」 「ゆうかたちがたべるようなものは、たべられないわよね?」 ゆうかが今手元にある食べ物を挙げていく。木の実、花、虫、草、木の皮…、料理すれば人でも食べられないことは無いだろうが、生のままで食べられる筈も無い。 「無理だ。腹を壊すのが関の山だな」 どうしたものか、と皆一様に黙り込む。 そんな中、男を励まそうと体を擦り付けていためーりんが、男の目の前に行き、男を見上げる。 「じゃおーん!」 男に向けてにっこりと微笑んだ後、大きくはっきりと声を上げた。 すると、めーりんは体の真ん中から左右に割れていき、真っ二つに分かれた。帽子だけは二つにならず地面に落ちた。 「これは…?」 男がその光景を見て、疑問の声を上げる。 「おたべなさい、よ。ゆうかたちはたべてほしいあいてにこうするの」 「俺に食べろと。なんで?」 「めーりんはやさしいゆっくりだから」 ゆうかの説明を聞き、男はしばしの間、呆然としていたが、やがて、ありがとうと礼を言うと、二つに割れためーりんを頬張った。 男の目から涙がこぼれた。 男は食べ終えた後、残った帽子を手に取る。 「これ、貰ってもいいかい?」 「めーりんはにんげんさんのためにえいえんにゆっくりしたのよ。もっていてあげて」 ゆうかから山と山との境目にある背の高い木の横から、何度も煙が上がるのを見たと聞いた男は、高い木を目印にして進み、登山道に戻ることが出来た。 無事に下山できた男が自分のアパートに戻ると、ドアの前でゆっくりがたむろしていた。 成ゆっくりが2匹、子ゆっくりが4匹、体は薄汚れ、バッチは無い。典型的な野良ゆっくりだ。 「いつまでたってもかえってこないんだぜ!」 ゆっくりまりさが番のれいむと子供達に何か話している。 「何してるんだ?」 死にそうだった時にゆっくりに助けられたのだ。困っているなら助けてやろう、と考えた男はゆっくりに声をかけた。 「ここをまりさたちのゆっくりぷれいすにするのぜ!」 まりさは男の問いに反射的に答えを返した。 山で遭難したかと思えば、町でこんなゆっくりに出会うとは、災難だな。これもまた遭難か、と男は思った。 「ゆゆ!ぐずのめーりんがいるのぜ!」「ゆ!ぐずはゆっくりできないよ!どっかいってね!」「「どっかいっちぇね!」」 ゆっくりは飾りで個体を識別する。飾りを身に着ければ人間でもゆっくりと認識される。 形見の帽子をかぶっていた男は、まりさ達にめーりんと認識されたのだ。 自分を助けてくれためーりんを馬鹿にされた、と感じた男は目の前のゆっくり達に怒りを覚えた。 美という字は羊と大を合成した文字だ。 羊は生贄、犠牲を表し、美は大いなる犠牲を表すことになる。大いなる犠牲、すなわち自己犠牲であり、めーりんの行いはまさに美しいものと言える。 めーりんの美しさに比べたならば、こいつらのなんと醜悪なことか。男はそんなことを考えながら、喚き散らす親を壁に向かって蹴り飛ばした後、ちびまりさを持ち上げた。 「ゆわーい!おしょらをとんでるみちゃい!」 暢気な声を上げているちびまりさ。 「かわいいれいむのおちびちゃんをかえしてね!」「なにするんだぜ!このぐず!」「「ぐじゅ!」」 「返して欲しけりゃ、俺が良いと言うまでむこうを向いて跳ねていろ。いやなら全員蹴り潰す」 男の威圧に負け、ゆっくり達は嫌々ながら、むこうを向いて跳ね始めた。 それを確認した男は、ちびまりさの帽子を奪う。 ちびまりさは声を上げようとするが、男はその前に上唇と下唇を指で挟んで押し潰し、捻る。口は閉じられた。 ちびまりさは目としーしーの穴から砂糖水を流し、痛みに身を振り回す。男を見つめるちびまりさの目は、許しを乞うように震えていた。 男は上瞼と下瞼を唇と同じように、指で挟んで押し潰し、捻る。目も閉じられた。 しーしーの穴も、まむまむも、あにゃるも同じように指で挟んで押し潰し、捻る。穴はすべて閉じられた。 垂れ流していた砂糖水は流れなくなり、震えていた目も見えなくなる。 続けて、男はちびまりさの髪を引きちぎり、あんよも捻り潰して動けないようにした。 見えず、喋れず、何も出来ない饅頭が完成した。 ただ、体はいまだに震えている。死には程遠く、生きることもあきらめていないようだ。 「お前は今から、あいつらに食べられる。死ぬまでゆっくりしていけよ」 そう、ちびまりさに囁いた後、男は跳ねていたゆっくり達に声をかけ、こちらを向かせた。 「疲れただろう、あまあまをやろう」 「「ゆ!あまあま!」」「「あみゃあみゃ!」」 ゆっくりの目には、饅頭にしか見えないちびまりさが地面に置かれる。 「あまあまはまりさのおくちにはいるんだぜ!」「あまあまさんはゆっくりれいむにたべられてね!」「「たべられちぇね!」」 ちびまりさはこの状態でも、ものを聞くことが出来る。親兄弟に食べられようとしていることが分かるようだ。 やめちぇえぇーっ!まりしゃをたべないぢぇえぇーっ!ちびまりさの餡子の中で響く絶叫も、他のゆっくり達には聞こえない。 「うっめ!めっちゃうめ!」「むーしゃむーしゃ!しあわせーっ!」「「しあわしぇーっ!」」 ちびまりさの願いむなしく、ちびまりさは親と姉妹の腹に収まった。 男はちびれいむを持ち上げ、同じように繰り返し、子ゆっくりを全部、親ゆっくりに食わせた。 「おちびちゃんをゆっくりしないでかえしてね!」「そうだぜ!かえすんだぜ!」 あまあまをすべて食べ終えた後、れいむとまりさは男に子供を返すよう詰め寄った。 「もう返したぞ」 「いないよ!どこにいるの!」「どこにいるんだぜ!」 「そこにいるじゃないか」 「どこ!」「じじいはばかなのぜ!いないことがわからないんだぜ!」 「そこだよ、お前らの腹の中だ」 男は子ゆっくりから奪った飾りを、親ゆっくりの目の前にばら撒いた。 呆然としたまりさの顔面をこそぎ落とすように、男の足が踏み下ろされる。 「ゆぎゃあああぁぁぁーーーっ!!!」 一瞬で顔が無くなったまりさは、絶叫を上げながら地面を転げまわる。 男は道に向かってまりさを蹴り飛ばした。 まりさの皮は破れ、口からは先程食べた餡子を吐き出している。程なく永遠にゆっくりするだろう。 番の悲鳴に我に返り、逃げ出そうとしていたれいむは、男に髪を掴まれ宙に浮いた。 これかられいむは、子ゆっくりと同じようにありとあらゆる穴と、あんよを指で押し潰され、捻り塞がれることになる。 まず、右まぶた。 「ゆぴぃ!」 次に、左まぶた。 「ゆぎゃあ!」 砂糖水を垂れ流すしーしー穴。 「やめてね!もどしてね!」 もう使われることの無いまむまむ。 「れいむのまむまむがあぁーっ!」 中身を吐き出したあにゃる。 「ゆぎぃ!」 何とか逃れようとグネグネと動くあんよ。 「れいむのびきゃくがあぁーっ!」 最後に喧しい口を塞がれる。 「お前らが馬鹿にしためーりんはな、立派な奴だったんだ。お前らみたいなのが馬鹿にして言い奴じゃないんだ」 なにいってるの!めーりんはぐずでしょ!じゃおしかしゃべれないんだよ!ゆっくりしてないんだよ!れいむたちはとってもゆっくりしてたのに! めーりんはゆっくりしてないのに!ゆっくりしてるゆっくりをいじめちゃいけないんだよ!ゆっくりさせなきゃいけないんだよ! 喋ることの出来ないれいむは、餡子の中でいかに自分がめーりんより上か、自分が大切にされるべきか、そして助けられるべきか延々と繰り返している。 だが、男にはそんなものは聞こえない。聞こえたとしても関係ない。男はれいむを蹴り飛ばした番に向かって投げた。 まりさにぶつかったれいむに死ぬ気配はない。あんよが動かないので、転がったまま震えている。 自分が食べた子供と同じように、餡子の中で助けを求めているのだろう。男はそのまま死ぬまで放って置くことにした。 溜飲を下げた男は、後で片付けないとな、と思った後、思考を切り替えた。 遭難した中であのゆっくり達に出会えたのは、本当に良かった。今みたいな連中ならあそこで死ぬところだった。 やっぱり、恩はゆっくりにじゃなくて、あのゆっくり達に返さないとな。 今度は遭難しないように入念に準備をして行こう。ゆっくり達への礼も迷惑にならず、且つ喜ばれるものを調べて持っていこう。 と、男はこれからすることを考えながら、家に入っていった。 書いたもの ・ふたば系ゆっくりいじめ 732 門番ゆっくり ・ふたば系ゆっくりいじめ 741 ゆっくりマンション ・ふたば系ゆっくりいじめ 751 門番ゆっくり めーりんの場合 ・ふたば系ゆっくりいじめ 782 ゆっくりのいるお庭 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る めーりん大好きかコンチクショー! 俺も大好きだコンチクショー!! ※原初の誓いか。最近見なくなったな、こういう本当の意味でゆっくりしたおたべなさい。 -- 2018-02-16 02 31 42 めーりんかっけー -- 2017-01-16 00 34 47 めーりんは優しいんだねー。わかるよー -- 2014-06-03 21 23 54 初対面なのに自分の命を差し出せるとか優しすぎるだろ。 -- 2012-10-06 00 55 29 ゆっくりできたのぜ! -- 2012-07-11 19 25 51 こんなめーりんなら嫁にする! -- 2011-09-28 00 15 58 真の意味でのおたべなさいを見た・・・これこそが原初の誓い -- 2011-08-27 01 03 29 めーりんは優しいゆっくり -- 2010-12-06 04 03 26 じゃお~ん -- 2010-11-28 06 30 55 めーりん最高だっ! ゆっくりできたよー -- 2010-11-11 11 50 49 うっうー! -- 2010-09-07 15 09 25 じゃおじゃお! -- 2010-08-27 21 52 41 むらむらしてるね! -- 2010-08-03 14 25 23 ゆっかりしているわ! -- 2010-06-30 01 54 49 むっきゅりしてるわ! -- 2010-06-29 23 14 30 ゆっくりできたよ! -- 2010-06-16 17 56 21 ゆっくりできるね -- 2010-04-18 21 36 04
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/713.html
夕日の中を木枯らしが吹き抜け枯葉を巻き上げる。 晩秋から初冬への境 豊饒の季節はもうすぐ終わりを告げる。 この季節はゆっくりたちがもっともゆっくりできない、否ゆっくりしてはいけない季節である。 なぜなら冬篭りの準備をしなければならないから。 皆準備の為に跳ね回り食料と資材を集める。 今年生まれた子供たちも母親と同じ仕事が出来るほどに成長し 姉妹達を率いて下草を集めたり、木の実を埋めたりと忙しい。 食料を集め、下草を敷き、入り口を塞ぐ頃には冬が来る。 「まつんだど~」「みゃ~て~」 「ゆ!ゆ!ゆうぅぅぅぅぅ…」 日に日に三日月に近づく月の下 ご多分に漏れず冬篭りの準備に急ぐのは体つきのれみりゃの親子 ただし彼らの準備は食料集めではない。 食いだめである。 冬の間に外に出るゆっくりは少ない。 必然的にれみりゃの餌も少なくなる。いくら狩りに出ても十分な食料は得られない。 したがってれみりゃ種は冬眠するゆっくりとなった。 冬の訪れまでに出来るだけ沢山の栄養分を蓄え、後は眠るのだ。 春先と盛夏に生まれた二匹の子供たちも狩りの仕方を覚え、多くのゆっくりを狩った。 体は指先まで丸々と太り、パンパンに張った血色の良い肌は白桃色に輝いている。 「やったどぉ~ごはんだどぉ~」 捕まえたゆっくりを抱えて巣に戻るれみりゃ親子 少々飛行するのに支障が出ているらしく がさがさと木の枝に体を擦っているが、この程度でなければ冬は越せない。 今回の冬眠場所は大きな木の下に掘った穴の中 入り口は残雪の心配の少ないよう東向き しっかりと下草を敷いたので寝心地は抜群 春まで快適に過ごせるだろう。 「お~いし~どぉ~」「う~」「さいごのでなーだどぉ~」 れみりゃ親子は今年最後の食事となるゆっくりありすを食べていた。 このありすは少々ゆっくりしすぎたの。 この季節の夜に外を出歩いていたのだから。 寒さに強くないゆっくりは晩秋の夜にはけして出歩かない。 夜はれみりゃの時間だからだ。 おそらくこのゆっくりしすぎたありすは 皆が巣を塞ぎ始めるのを見てあわてて冬篭りの準備を始めたのだろう。 食料になるものは殆どとり尽くされた森の中を彷徨い 冷たい秋風に吹かれ動きが鈍ったところをれみりゃに襲われたのだ。 たっぷりと栄養を取った健康なれみりゃは少々の寒さにもへこたれない。 秋風の中を自在に飛び、獲物を狩って冬に備える。 知能は消して高くないれみりゃが今日まで生き延びている理由は このあたりにあるのかもしれない。 「うぅ~はぁっぱぁ~ぱぁっぱぁ~はぁっぱぁっぱぁ~」 ばさばさと落ち葉や枯れ草、小石や小枝を巣の入り口に撒くれみりゃ 遊んでいるのではない。巣穴を偽装して隠しているのだ。 捕食種といえど油断は出来ない。長い眠りに付く冬眠中は尚更だ。 「うぅ~いぃしをつぅんでぇ~すぅきぃまぁをつぅめぇてぇ~つぅちぃをぉぬぅってぇ~」 親子代々伝わる歌のようなものを呟きながられみりゃは内側から穴を塞いでゆく。 巣穴の入り口に石と土と小枝を積み上げ、草や苔を隙間に詰め込む。 さらにその上から土をぺたぺたと塗りつければ封鎖完了だ。 「かんせいだどぉ~」 「やったどぉ~」「これであんしんだどぉ~」 入り口を塞いだらあとは眠るだけだ。 下草の上に親子三匹、川の字で寝転ぶ。 「う~!ふゆどをこすどぉ~!!はるまでぐっすりだどぉ~」 「はるまで~」「ぐっしゅり~」 おそらくもう数日で初雪が舞う。 この一家はそれすらも知らずに眠り続けるのだろう。 暖かい春の日差しが雪を溶かすまで となるはずであったのだが。 「うぅ~」 …ックザッ… …ックザック… 「う~?」 ザック…ザッ… 「うううぅ~!?」 ザクッ 「よしやったぞ!!」 「うー!!」 突然巣の中に光と寒気が流れ込んでくる。 飛び起きたれみりゃの目に白銀の世界と黒い二つの影が飛び込んできた。 「おし、大当たり!れみりゃだ。」 「やりましたね兄貴!!」 男たちはれみりゃを縛り上げると次々と袋の中へ放り込んでゆく。 「みゃあみゃあ!!」 「あがぢゃあああぁぁぁぁん!!あがぢゃあああぁぁぁぁん!!」 泣き叫ぶれみりゃたちを無視して袋を荷車に放り込む。 「ゆっぐりじねぇぇぇ!!」「だぜえぇぇぇ」「う~う~う~!!」 荷台には既にいくつもの袋が並んでいる。中身はすべて体つきのれみりゃかふらんである。 「こいつらは高く売れるからな。これで首が繋がったぜ。」 「兄貴が闘ゆっくりで有り金全部スっちまった時はどうなるかと思いましたけどね。 こんな特技があったんですね。兄貴って。」 この二人は人里に住む与太者たち。金策の為に一稼ぎしに来たのだ。 「死んだ親父がゆっくり取りの名人でな。俺もよく一緒に取りに行ったもんさ。」 「しかし饅頭なんざいつでも一緒じゃないんですかね?なんで今だけ高くなるんです。」 「ばーか、ゆっくりだって旬ってのがあるんだよ。れみりゃやふらんは今ぐらいの奴一番だ。 冬を越すためにたらふく食って油が乗ってるからな。質が違うんだよ。 知ってるか?なんでこいつらに体がついてるのか。」 「いえ、知りませんね。人間みたいに動けるからですかい?」 「それが違うんだよ。こいつらは道具を使える頭がねえからな。 栄養を蓄えるためなんだよこいつらが体つきなのは。」 「へえ、じゃあ兄貴の下腹といっしょですかい。」 「おめぇあとで覚えてろよ。まあそんなもんさ、冬眠中に困らないようにそうなったんだろうな。 同じ肉まんでも頭と体じゃ味も値段も違うんだ。」 荷車をがらがらと引きながら歩く二人 荷台には二十匹ほどのれみりゃとふらん。 「じゃあこないだのれみりゃに自分の子供で肉まん作らせてた店。 だから高かったんですね。」 「そうさ、あの店のは本物の親子だからな。体は取っても死なないってわかってるから体で作るんだ。 赤の他人のれみりゃに作らせると頭も体も関係なしに…おっとまたあったぜあそこだ。」 「よくわかりますね。俺にはぜんぜんわからねえや。」 「年季がちがうさな。年季が」 男はそういいながらスコップでざくざくと雪を掘っていく。 数十センチ掘ればぼこりと土がへこみその向こうには体つきの 「むきゅうぅぅぅ…ごほん……」 紫色の奇妙な物体。そして大量のチラシや新聞紙 一瞬ゆっくりぱちゅりーのようにも見えたが微妙に違う。 もやしのように細いが体がついているのだ。 「ありゃ、違ったぜこいつは」 「なんですこの紙くずまみれのは」 「こりゃあぱちゅりぃだな。体つきのゆっくりぱちゅりーだよ。 穴の塞ぎ方が似てるから間違えたんだ。」 「案外兄貴もあてになりませんね。」 「うるせえな久々なんだから仕方ねえだろ」 男達の会話をよそに冬眠中の巣穴を暴かれたぱちゅりぃは 大量の紙屑に囲まれて眠ったままだ。 いや、反応が薄いだけで起きてはいるのかもしれない。 どちらにせよ頭に霞が掛かっていることに代わりはないが。 「で、こいつは売れるんでしかい?兄貴 こいつの体も油が乗ってるんでしょ?」 「こいつの体はなぁ…ちょっと違うんだよ。」 「と、いいますと?」 「こいつは食うモンがなあ…ああ、見ろよほれ。」 むきゅむきゅと寝言を呟きながら手を伸ばすぱちゅりぃ その手が掴んだのは干からびた野菜くず。 ではなくなんと紙屑の山の中のチラシだった。 「えっと兄貴、まさかこいつ。」 「そのまさかだ。見てろよ。」 チラシを掴んだぱちゅりぃは 「むきゅうぅん。むきゅうぅん。」 それをそのまま口に運んだ。 しばらくの間もしゃもしゃと咀嚼したあとゆっくりと飲み込む。 この間なんと35秒、驚異のゆっくりっぷりである。 よく見てみれば紙屑だらけのぱちゅりぃの巣に食料はほとんどない。 あるのは紙屑ばかりである。 防寒材としては優秀かもしれないが普通なら食料にはならない。 それを食料にしてしまうのが歩く紫もやしことぱちゅりぃである。 虚弱でありながら妙に頑丈な肉体を持つ彼女は 生き延びるために驚異の消化力を身につけたのだ。 「こいつってこんなもんばっかり食ってるんですかね?」 「らしいな。弱くてまともな餌は取れないからこんなもんを食うんだろうが。 栄養も殆どないだろうからな。だから弱いのかもな。」 「卵が先か鶏が先かみたいな話ですね。で、こいつは食えますかね?」 「筋だらけだろうさ。やめとこう。」 その時男たちは下から見上げる視線に気づいた。 いつのまにかぱちゅりぃが目を覚ましていたのだ。 独特のどろりと濁った目で男達を見つめるぱちゅりぃ 常にもぐもぐと動き続ける口をゆっくりと開くた。 「ごほんはどこ?」 「は?」 「むきゅぅ、もってかないでぇぇ…」 蚊の鳴くようなか細い声で喋るぱちゅりぃ 白い雪と黒い土、灰色の紙屑と紫色のぱちゅりぃ 前衛芸術家かなにかなら喜ぶかもしれないが男たちにはもう限界だった。 「はいはいごほんね、ごほんだよ」 そういってちり紙代わりの天狗の新聞をぱちゅりぃに押し付ける。 「むきゅぅぅぅごほん、ぱちゅりぃのごほん」 嬉しいのだろうか上体を陽炎のように揺らすぱちゅりぃ 「あーはいはいよかったねごほんだね。おやすみね。」 「春までねむってようなぁぱちゅりぃ」 「むぎゅうううぅぅぅぅ!!」 ぱちゅりぃの体を紙屑の山に押し込むと そのまま土をかけて埋めもどす。 少々手荒すぎる気もするがなに紙を食べて生き延びられるゆっくりだ。 これくらいはどうということもあるまい。 「しかしあんなゆっくりもいるんですね。兄貴」 「わからんもんだな。案外と」 荷車を引きながら人里を目指す男達 荷台のれみりゃ、ふらんの体力も尽きたらしく静かなものだ。 冬を生き延びようとゆっくりを食べたこのゆっくりたちは 冬を彩る肉まんアンまんとして人々に食べられる。 なんとも因果な事ではないか。 「おそくなっちまったな。しかし」 「晩飯にこいつらでも食いましょうか。」 「馬鹿言うんじゃねえよ。まったく」 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4753.html
※子供が出ます ※人間の子がフルボッコにされます。 「ゆっくり草野球」 とある里に子供たちが草野球をしていた。 現在は 8回裏 2-3 1ボール 2アウト 1塁二塁にランナーがいる。 つまり、このままホームランをたたみこめば逆転になる。 「勝てるううううう!!勝てるぞおおおおおお!!!!」 チームメイトたちに気合が入る。 なぜなら相手は、このあたりでは結構強い強豪が集まるチームだからだ。 現在は、4番バッター、 相手チームのエースに匹敵するほどの強さだと聞く。 そして火花散る大戦が始まる! ピッチャーが振りかぶりボールを投げる! しかし、ボールはストライクゾーンからはずれている。 バッターは様子見だと、感じ取り、あえてバットを振らなかった。 2球目。 ストライクゾーンにボールが飛んでくる! しかしミットの近くにボールがくるとボールが曲がる。 「これは・・・スライダーか!! しかし、こいつの攻撃パターンは見切っている!」 ガキーン!!とボールが派手な音を上げ、飛んでいった。 派手にとんだボールはフェンスを越えた。 「ホ・・・ホームランだ!」 「いやったあああああああああ!!!!」 とチームメイトが歓喜の声を上げる。 しかし、まだ8回、油断はできない。 その後、キャッチャーが一言。 「ところで・・・ ボールは?」 「「「あ」」」 「でも、そう遠くに飛んでいないから大丈夫だよ。」 しかし、この草野球にもルールがあった。 このようなホームランをあげた場合 打ったバッター、もしくはそのチームがとりに行く鉄則となっている。 なので、打ったそのバッターがとりに行くことにした。 一方そのころ、 とある畑では男が野菜を育てていた。 結構ゆっくりの被害にあいやすい地域で有名らしい。 そして今日もゆっくりが現れた。 しかし、男はまだ気づいていない。 「ゆん ゆ~ん♪ ゆっくりしてるねえ!」 「ここのはたけはおやさいさんがはえてるのぜえ♪」 「ゆっくりたべようね!」 「ゆっきゅりできりゅよぉ!」 「だにぇ!」 家族だった。 親れいむと親まりさ後は子まりさと赤れいむ、赤まりさだった。 そのときだった。 さっきのボールが急速で接近してきた。 飛んできたボールはまりさの脳天を直撃。 「ゆべらっ!」 「まっ・・・まりさあああああああああああ!!!」 「おとうさあああああああああああんん!!」 「おちょうしゃんをこりょしたころころはゆっきゅりりねぇ!」 さっきのホームランボールに体当たりを仕掛ける赤まりさと赤れいむ しかしボールに体当たりしても、ただ単に転がるだけだ。 すると、さっきのバッターがボールを取り戻しにきた。 「ボール、ボールは、っと。 おお、あった。」 バッターはボールを拾い上げる。 「げえ~餡子くさ~」 「ゆう~!そのボールをよこすのぜ!おとうさんのかたきい!」 とれいむ一家が体当たりをしてくる。 だが、無駄無駄。ボールを拾い上げさっさと試合の続きをしよう。 ボールを拾い上げると 一人の男が現れた。 「おや、どうした。」 「あ、まさかこの畑の持ち主の人?」 「ああ、そうだよ。 ん?そいつらは?」 「ああ、こいつらは畑の辺りでうろうろしてたやつです。どうしましょう。」 「そうだな・・・ん?そのボールって最後の一個かい?」 「ああ、はい。 小遣いも少ないんで。」 「俺にいい考えがある。」 「本当ですか?」 「ああ。」 「じゃあ、こちらへ。」 男はバッターと一緒にグランドへ向かった。 グランドにつくと、 「お待たせー!」 「待ってたぞー!!さっさと続き行こうぜー!」 「「「「「おー!」」」」」 「あ、ちょっと待った。 ピッチャー君。ちょっと来て。」 と、お兄さんはピッチャーを呼んだ。 「でその考えって何ですか?」 バッターが聞くと 「まぁ、簡単だ。 まずは・・・」 と親れいむをつまみ上げる。 「ゆ!はなしてね!ゆっくりできないじじいはゆっくりしね!」 するとお兄さんはぐっと構え フルスイングで投げる。 「ゆぅ~ん、そらをとんでるみたい!」 するとキャッチャーミットにズバンと収まる。 結構速い球のせいかれいむはそのまま気絶していた。 「お、おかさあああああああああああんん!!!」 「もうやぢゃああああああああ!!!おうぢがえるうううううううう!!!」 と叫ぶ一家。 「・・・これでわかっただろう?」 「はい・・・」 とバッターとキャッチャーが返事をした後、お兄さんは帰っていった。 お兄さんが帰った後ピッチャーは 「あれ・・・誰?」 「・・・」 バッターは黙り込んだ。 「よっしゃああああああ!試合再開じゃあああああああ!!」 とチームメイトが叫んだ。 「勝利の女神は俺たちに微笑むんだあああああああ!!!覚悟しやがれええええええええええ!!!」 と監督の気合の入った声。 やるか・・・ 状況はよくわからないが 覚悟を決め。 ピッチャーはマウンドに立つ。 その後 なぜかボールをゆっくりに変えたら士気が高まり、そのチームは4-8で大敗。 理由はそのチームはゆ虐好きが多く、ボール代わりのゆっくりが飛んでくると、「ヒャア!」という声を上げフルスイングでボールを打つ。 簡単に言うとそのチームは虐待お兄さん集団だということだ。 そしてピッチャーがみんなの元へ帰ると すごく気まずい空気が漂った。 「・・・」 「「「「「・・・」」」」」 みんなも黙り込む。 「・・・」 監督も。 「・・・」 あのお兄さんを連れてきた、バッターも。 「・・・ごめん」 バッターがそうつぶやくと 「てめえがああぁあああああ!!!!!!」 監督は泣きながらこぶしを振り上げバッターを殴る。 バッターに泣きながら殴り続ける監督。 「ちょおっ!監督!八つ当たりですか!!」 「うわあああああああああん!!」 「あと少しだったのによおおおおおおおおお!!」 チームメイトも泣き出す。 かなり気まずすぎる・・・ ピッチャーはすぐにかばおうとしたがそんな勇気すらなかった。 「くそぉっ!」 悔しい思いが立ち上る。 すると視線に入ったのはゆっくりだ。 目を覚まさない。 おそらく気絶している。 「くそぉっ! くそぉっ!」 とボール(もといゆっくり)をたたきつけ、その後踏み潰す。 気絶しているためか、声ひとつすらあげてない。 おそらく即死だ。 ピッチャーはゆっくりをつぶした後、落ち着いた チームの元へ戻る。 どうするかを監督が話した後ピッチャーは帰宅をした。 バッターは監督の一方的な八つ当たりを受け、病院いきとなったと知った彼はどうすることもできないと考えていた。 その後、ピッチャーがゆっくりをつれさらうところを目撃した人がいるという そして中に入ったゆっくりは二度と帰ってこなかったらしい。 あとがき スポーツものはやっぱ難しい 後半から文章が滅茶苦茶だった。 byさすらいの名無し 過去作品 いじめ系2850 ゆっくり油火踊り祭 ゆっくりいじめ系2889 ゆっくりべんじゃー ゆっくりいじめ小ネタ542 ゆっくりジェットコースター いじめ小ネタ545 ゆっくりボール いじめ小ネタ546 ゆっくり太郎 いじめ小ネタ553 ゆっくりできない川さん このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2343.html
※CAUTION!! 小ネタです やわ○か戦車の替え歌です ~やわらかゆっくり~ 一番 ゆっくり達の心はひとつ ゆっくりしたい ゆっくりしたい 餡子に刻むはゆっくりダマシイ 生まれて このかた 被虐待 飾りがないから即刻潰される (ゆっくりできないゆっくりはしんでね!!) 3日に一度人間にさらわれる (どぼじでごんなごどずるのおおおお!!) ゆっくりれいむ ゆっくりまりさ ゆっくりする事許さぬ弱さ 水の中 入れられたら そこから溶ける 二番 ゆっくり達の心はひとつ ゆっくりしたい ゆっくりしたい 知能のたぐいはお持ちでないので 生まれて このかた 死に人生 人間達にこっそり殺される (でびぶうう゛ぉががじゃんがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!) 動物たちがみんなを食べていく (ゆっぐりでぎなう゛ぁう゛ぁう゛ぁぃぃぃぃぃぃ!!) ゆっくりありす ゆっくりぱちゅりー それでもゆっくり出来ない弱さ 狩りへ行こう 狩りへ行こう そのまま帰れない 三番 ゆっくりの群れにドスが来たよ ゆっくりだ ゆっくりだ 人間の里へ全速前進 協定 結びに やって来た ドススパークで人間を驚かす 「うたれたくなかったらきょーてーをむすんでね!!」 ゆっくり質に即刻潰された 「やべでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 ゆっくりちぇん ゆっくりち○ぽ やっぱりドスも 無敵の弱さ かーこうじょう 連ーれていかれて ゆっくりできなーい!! どうもsageの人です。 四番はエンドレスなのでやめました。 自分個人としては、や○らか戦車>(退却ダマシイ)>>ゆっくりな強さです。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2621.html
前 「では、術式を開始します」 私の宣言に、周りにいるゆっくりたちが頷く。群れの中でも選りすぐりの手術チームだ。 辺りは先ほどの喧噪が嘘のように静まりかえっている。離れた梢で鳴く小鳥の声までが耳に届く。 用心のために着剣隊が他の隊員と共に周りにおり、上空にはレミレイ隊の影も見受けられるが、注視すべきドスたちは麻沸散により全身麻酔を受けているので、よほどのことが無い限りお互いに沈黙を保つだろう。 軍のさらに遠巻きにして見物している野次馬たちも、その数を先よりも倍増していながら、やはり静かである。もっとも、この場の緊張感を打ち破ろうとする物好きな天の邪鬼もいないだろう。群れ全体から敢えて見学者を募った某黒いゆっくりは例外だが。 「名手術を期待するよ。俺はブラック・ジャックにはなれないからな」 などとワケのわからないことを言う。 「白い巨塔を造らなければ構いません」 と適当に返しておいて、私は横にいるヨウム種に切除部分を指定する。ドスの底部に近いところにある成体。 「埋められたゆっくりの形に添って、切り取って。ドスに関してはえぐれていて構わない」 初めての手術に臆することなく、ヨウムは頷いた。彼女は執刀医としては一番場数を踏んでいる。特にくり抜く作業に関してはかなりの腕があった。 元は農作業用の鎌を、研ぎに研いで薄氷の刃に仕立てたものを口にくわえ、ヨウムは最初のメスを入れようとする。が、刃がドスの体表に触れる直前、凍り付いたように動きが止まってしまった。 慎重になるのは当然だ。どれだけ皮の厚さがあり、どれだけ餡の堅さがあるか、全くの未知数だ。刃を入れ切り進めて行く中で瞬時に判断し的確な処置を行う、そんな頭脳と精神力が必要になってくる。しかも、始めの第一刀に他の執刀医が続くのだ。その重さを理解すれば、易々と刃は入れられないだろう。 しかし、私も精緻なメスさばきだけで彼女を切り込み隊長に選んだわけでない。できると評価しているからこその人選だ。 ――だが、私は気づいてしまった。 ほんのわずか。気づくか気づかないかのそれ。震え、だ。 彼女の半身たる魂がその横で常に揺らめいているために、目に止まりにくいのであるが、確かに震えていた。 無理もないかもしれない。眼球や底部でなく、ゆっくりそのものを切り出すのは群れの誰にとっても初めてのことだ。どれだけの緊張が彼女にのしかかっているだろう。 しかし、彼女のまぶたが静かに閉じ、少しの間を置いて、ゆっくりと再び開いた時には、その瞳にはくわえる刃と同じ光が宿っていた。 吸い込まれるように銀の先端がドスの身体に入る。無音で一瞬。だが多くの者の心にはさざ波以上の波紋が起こったに違いない。それは夜空を駆けて消える流星を思わせた。 刃は、動き出す。埋め込まれたゆっくりのラインに沿って。緩慢に、だが、明瞭に。何の躊躇も感じさせることはなく、軌跡はついに円の形に元の場所へと戻った。 ヨウムが離れる。入れ替わりに二匹のゆっくりが、切られた箇所を支える。ポロッと一体のゆっくりがドスからこぼれるように外れた。黒々とした餡が上向きに、曇り空の鈍光を跳ね返している。肝心の形状は、ゆっくりの下半身そのものだ。 (お見事)と私は心の中で褒めつつ、視線は塗布班の動向へシフトする。 指示しておいた通りに、塗布班は動いていた。彼女らにとっても初めての作業だ。けれど、先のヨウムに比べ、格段に気は楽だろう。献餡した餡を補う必要はなく、軽く形を整えた後にドングリ粉を塗るだけでいいのだから。 餡の質が固く形状維持が楽であり、免疫力も含めた体力が残っているから他の処置をせずに済むこともあるが、無論ヨウムの腕がそれだけ素晴らしかったということだ。ドスにできた窪みについても処置は容易だろう。 合図を送ると、他の執刀医たちがヨウムの後に続く。ヨウム種の他にも、アリス種、レミリア種、レイム種など、種は様々だ。皆一様に口に刃物をくわえている。空を飛びながら、あるいは補助班の支える台やハシゴに乗りながら、作業を開始する。 彼女らに戦闘経験はない。初等教育を終えた後はずっと医療班として、刃物の使い方を覚えてきた。たとえば野犬に襲われれば、くわえた刃物は何の意味もなさず、無抵抗に殺されていくだろう。それだけ一つのことに専念させ、錬磨させてきた。 だからこそ、普段は軽い怪我の治療程度しかしていないというのに、今はこうして問題なく執刀を行えている。若干動きがぎこちない者も見受けられるが……これは仕方ないだろう。一度でもメスを振るった経験のあるものをこの場に立たせているのだから。そうでなければ、総数四一匹のゆっくりを短時間でくり抜くことは不可能だ。 いや、正確に言えば、エイリン種なら単独で執刀しきるかもしれない。噂ではユユコ種の全身の皮を一瞬で剥ぎ、他のゆっくりたちに移植したとか。別の噂では、発情したアリス種の中身を瞬く間に入れ替え、正常に戻したとか。ここまで来るともう神話の域だ。 しかし、もしこれらが本当のことであったなら、エイリン種は今我々が大勢でしている手術を単独で行うことが可能になる。執刀医八、塗布班一二、その他三四、さらに全体を管理・統括する私を含めて合計五五匹のチーム――もはや一個小隊だが、エイリン種は一匹でそれと同等の力を有するわけだ。いや、このチームでもエイリン神話をなぞることはできない。医療技術の隔たりは千里以上に感じられる。 こういった類の伝聞には誇張が入るので話半分で聞いておく必要があろうが、相応の腕がなければ英雄譚も作られない。だから、ゆっくりの可能性を追求する長が、彼女を群れに引き込むことに躍起になるのも頷けはする。千里の道を一歩ずつ進んでいくのも大事だが、「先達はあらまほしきことなり」だ。既に達している者の薬石の言があれば、秀吉のように一夜で築くのは無理にせよ、半世紀も掛けずにローマを成立させることができるかもしれない。 「門前の小僧」の喩えもあるし、医療班だけでなく、群れ全体に良い影響を与えることも考えられる。長がたくさんの見物人にこうして手術を披露しているのも、見聞を広め、刺激をもたらすためだろう。 (エイリン種なら全ての術式を野外でできるかもしれないしね)などと考えていると、ふと横に長が来ているのに気づいた。 「順調に進行してるな」 「回復も早いでしょうね、患者の体力を考慮すると」 「あれだけ声を上げられるようなら、体力はあるだろうな。まあ、基本移動してきたのはドスであって、他はせいぜい喉と精神の疲弊のみだしな。実際、ドングリ粉の乗りもいい。ああ、もちろん手術の腕前あってこその成果だぞ」 「ありがとうございます」 「これだけの技術があれば、脂肪吸引手術も楽々できるんじゃないか? 良かったな」 「長は自分を知りたいとおっしゃってましたよね。中身を見るため切開してさしあげますよ、即刻」 「必要ないな。いつも接する時に腹を割ってるじゃないか」 「いいえ? その腹黒さしか認識できていませんが」 「おいおい、こんなに潔白な長を捕まえて、それはないだろう。今度から白ゆっくりと名乗ろうかと思っているくらいだ」 「白々しいだけです」 「白いついでに話すが、白い粉の量は足りたかな?」 麻沸散のことを言っているのだ。実際は全く白くはないのだが、外の世界では麻薬と言えば白い粉らしい。 「兵器用として貯蔵しておいたものを流用しましたから」 本来は絞り汁を加工したものを塗りつけて全身麻酔を行うのだが、暴れるドスに近づくのはとても危険だった。弾き飛ばされたり、踏みつぶされたり、ましてや麻沸散を自分で被るはめになったりしたら笑い話にもならない。 なので、まずは乾燥大麻をドスの周りで燃やし、煙で包んで大人しくなってもらった。風が無いのでいろいろと大変だった。火とゆっくりを前にパタパタと四方八方から扇いでいる様子は、新製品の焼き饅頭を作っているかのような錯覚に陥った。無風であることで群れの居住域に影響が無かったのは良かったのだが、かなりの量の備蓄を費やしてしまった。 その上でのドスに対する麻沸散であるから、今の群れに麻の葉はほとんど無い。麻沸散は非常に多くの麻を使うのだ。 「やっぱり多めに栽培しておいてよかったわけだな。増産するのも悪くないんじゃないか?」 「それは会議してから決めてください。ただ、いずれにせよ、もう私の前では吸わないでくださいね。あと言い忘れてましたが、ホームズが嗜んでいたのはコカインやモルヒネですよ。大麻じゃありません」 「おや。それではコカノキやケシの栽培にも着手してみるか。原初のコカ・コーラを愛飲するのも悪くないな」 「あのですね……」 半ば呆れつつ、後の半分は諦めつつ、私は答える。この人はこういう人だ。 「絶対ダメとは言いませんけど……もう既に中毒なんじゃないですか」 「まさか。メイリン種じゃあるまいし」 「中国じゃないです」 ため息をつく。 「それより長、そろそろ出番ですよ」 「ん、そのつもりだ」 あらかじめ治療を施したゆっくりを五匹ずつにまとめて配置してある。始めのグループがいる場所を示すと、長はそちらへ向かおうとして、つとこちらを振り向いた。 「おだてて木に登らせるつもりはないんだが、医療班の手際が格段に良くなっているのは、やはりお前さんの功績だよ。本格的に医療担当になったらどうだ? 感謝されるぞ。麻沸散を開発した人間も『神医』として崇められているそうだ」 「そうですか。で、どんな最期を遂げたんですか」 長は、ああ、うん、などと誤魔化してその場を離れたが、私はそれが『王に逆らって獄中死』だということを知っている。……まったく。リラックスさせるつもりなのか、精神状態を測っているのかわからないが、年中悪ふざけを画策しているような態度は改めてほしい。子ゆっくりへの感化について真剣に討議する時が来たのかもしれない。 (それとも身体だけでなく中身も子供レベルなのかしら)などと本気でなくとも、そう思いたくなる。 そんな私の悩みなどつゆとも知らず、長は始めの五匹と向かい合い、言葉を掛けていた。 暗示を施しているのだ。 ゆっくりは足が傷つくと、たとえば火傷などを負うと、二度と移動することができないなどと一般には言われている。これは正しくもあるし、間違ってもいる。 ゆっくりの性質を分析してみよう。 なぜ、赤ゆっくりやちびゆっくりは強姦されると死んでしまうのだろうか。黒ずみ、朽ち果ててしまうのだろうか。 妊娠するに耐えうる身体ではないからだ、というふうに言われている。しかし、それで説明になっているのだろうか。納得しうる答えだろうか。 そもそも妊娠に耐えられないという前に、妊娠できないのが普通ではないだろうか。未成熟な身体で孕んで死ぬという生物は、この世に存在しない。たとえば人間の少女を、初潮が来る前に膣内射精で犯しても、妊娠はしないのだ。 ゆっくりは生物ではない? たしかにお化けや妖怪の類だろう。しかし、それらの化生は人間の影であり、ゆっくりが生物の形を取っている以上、生物の特徴を持つのは必然だ。 では、性的暴行を受けた子ゆっくりが、死に至る受精をするのはなぜか。 ここに「想像妊娠」という仮説が立てられる。 想像妊娠とは、妊娠したと心が認識することで肉体に影響が現れる症状だ。現実には妊娠していなくとも、腹部が膨れたり、母乳が出たり、生理が止まったりする。これは人間以外の哺乳類にも起こりえる。当然ゆっくりも例外でないわけだ。 強姦された子ゆっくりは「仮の赤ん坊」に栄養を分配し、自己の生存に最低限必要なエネルギーまでも受け渡してしまう。つまり、想像妊娠により死亡する。 前提として「性交したら受精する。子ゆっくりなら死ぬ」という知識が備わっている必要があるが、ゆっくりの知識は本能とは別に親から受け継がれるのが一般的だ。知識の受け継ぎには個体差があり、量と精度は姉妹間でも変化してくるが、「子供が犯されれば死ぬ」という事項についてはほとんど定説になっているから、どれだけ大勢の餡子脳に刻まれているかは想像に難くない。 好奇心は猫を殺し、思い込みがゆっくりを殺す。そういうことだ。 ここまでは実は長の仮説だ。仮説だった。遅ればせながら、冬の事件で実証されたのだ。思い込みが無くなれば、強姦されても子ゆっくりは死なない。 そして、ここからが私の立てた仮説になる。 ゆっくりにおいて、精神が肉体に対し死に至るほどの影響を与えるということは、その逆の影響を与えることも可能なのではないか。死ねるほどの影響力をプラスに転じたら、どれだけのことができるだろうか。そう考えたのだ。 足が傷つき歩けないゆっくりがいる。しかし、それは本当に歩けない? 通常ならば歩けない。傷が癒えても痛みを感じなくなっても、歩くことはできない。一生歩けない。しかし、本当に? 歩けないと思い込んでいるだけなのかもしれない。あるいは、歩けると思い込めば歩けるかもしれない。荒唐無稽に聞こえるかも知れないが、道理には適っている。死ぬことができるのだ、歩くことなど容易だろう。 それ以上のことも期待できる。失明したゆっくりに「視力は回復する」と認識させれば、見えるようになるだろうし、眼球そのものを欠損してしまっても、「再生する」と認識させればその通りになるはずだ。 そして、この仮説も長に先んじて実証されている。現に私の両目は健在だ。 私が立てたこの仮説を、自らが被験者となって実証したことにより、群れの医療技術は飛躍的に発達した。無論それまでのと比較しての話であり、エイリン種が有する技術に比すれば児戯に等しいのかもしれないが。 ともかく、その功績が認められて、私は医療部のトップの肩書きを持つことになったのだが、成果を上げて評価されたことはともかく、肩書きについてはあまり欲しくない褒章だった。既に行っている研究や群れの運営に、新たな項目が名前を付加されて負荷されただけなのだから。 長にしてみれば、「早くシステムを確立して後進に譲れ」という意味で与えた肩書きなのだろうが、それがどれだけ大変かわかっているのだろうか。ただでさえ他のいくつもの部署でそれをやろうとしているのに。抱えきれない案件を、危なっかしいお手玉で何とかしのいでいるというのに。……まあ、できると思っているからこそ任せているのだろうが、時々自分が「ゆっくり」であることを忘れてしまいそうになる。 辺りを一巡して、ほぼ手術は終わりになったのを確認し、ドスの正面にいる長の所へ行った。長も一段落ついたようだった。 「移植は成功しましたか」 「ああ、盲目を相手にするのは久しぶりだから不安だったがな」 見ると、ドスの大きさには不釣り合いに小さな眼球が右目側に埋め込まれている。群れの成体ゆっくりから提供された眼球だ。補われた餡の上にドングリ粉を塗布された中央、そこにちょこんと載っているだけのようだが、虚ろに開かれた目が時々かすかに瞬きをしているのが注意するとわかる。 「機能しているようですね」 「そうだな。順調にいけば左目も再生するだろう。まあ案ずるより産むが易しだった」 「ドスの体力・精神力が強いんでしょうか」 以前はもっと時間が掛かっていたはずだ。長の能力は視線を媒介とする。それを無しで行うのは、純粋に催眠療法士としての素養が問われる。実のところ、私はもっと多くの時間が掛かると思い、新たな麻酔の準備をさせてもいた。 「確かに移植無しで両目が再生できるだけの素質はあったな。だが、俺だって流石に何度もやっていればノウハウはつかめるさ。あとはやはり麻沸散の効果かな」 長はそこまで言って、ふうとため息をついた。 おや、と思った。ため息をつくのはいつも私の役なのに。 「麻酔の効果はあとどれくらい持つ?」 「このままならあと三十から五十分といったところですね。どうしました」 「ドスにもう一度掛けてやってくれ。軽くでいい」 長はそうして、ドスから分離されたゆっくりの置かれた場所へ再び戻っていった。 (……あ) そう言えば、忘れていた。 施術の終わったゆっくりがなぜか巣へ移動させなかったので、どうしたのかと看護班に聞いてみたら、長の指示だと答えが返ってきた。 どういう意図があったのか、聞いておくべきだった。 五日後。 太陽が一番高いところに登り、春の陽気を思う存分地上に振りまいていた。あつかましいまでの陽光に気圧されたかのように、そよとも風は吹いていない。立ち上る緑の香気が流されることなく辺りに満ちている。 長と私の後ろからは、大勢のゆっくりが大なり小なりの声を交わし合っている。梅雨時の蛙や、夏の蝉時雨に匹敵する騒がしさだ。通信班などの警護班を除いた、群れのゆっくりのほぼ全てが集まっているのだ。E‐5区はお祭り並の密集状態だった。 私たちの前には、先日治療したドス他四一匹のゆっくりが相対している。巨木と巨岩を背景にしていた。 巨岩にはしめ縄が張られている。アリス種がイネ科植物や麻を加工して作った縄を、群れの力自慢たちがより合わせたものだ。シデも無ければ、宗教的な意味合いも無い。しかし、群れの結束のシンボルとなっていた。「一本の茎は千切れやすいが、多くが合わされば決して千切れることはない」という、使い古されてはいるが、その分わかりやすい象徴だった。 長が合図をすると、喧噪が嘘のように鳴りを潜めた。 「以前に我が群れに訪れた彼らが、是非伝えたいことがあるとのことで、こうして皆に集まってもらった。心して拝聴するように」 長が向き直ると、ドスマリサが前に出る。皆の視線が上向いた。パニックになっていた時を感じさせないほどに堂々としているその姿は、大きさは変わらないのに一回り成長したような印象を与えた。種の上では普通のマリサ種と同種であるはずだが、なぜドスの呼称が冠されるのかわかる気がした。 移植した右目は肥大化し本来のサイズに近づいていて、左目部分も萌芽のような小さな兆候が現れていた。頭部も金髪のショートカットが生えそろっている。 他のゆっくりたちも全治とはいかないまでも復調していた。まだ以前のように動き回れはしないだろうが、少なくとも気持ちの上では全快しているだろう。 「ゆっ、今日はみんなにお礼を言いにきたんだぜ!」 よく響く声だ。群れの一番後ろにまで問題なく届いているに違いない。 「まずマリサたちを治してくれてありがとうなんだぜ!」 この言葉に医療班はどういう表情を浮かべているだろうか。今回の最大の功績者は彼女らだ。本当に、自分がドングリ粉になるかというくらい、身を粉にして働いてくれた。 「食べさせてもらった物もとてもうまかったんだぜ。かわいくてけんしんてきなゆっくりたちがたくさんいて、気分よく食っちゃ寝できたんだぜ」 群れの一員ならそれぞれ割り当てられた役割を果たしてもらうが、彼らは客人として扱われている。ずっと専用の巣で安静にしてもらったのだ。看護班は何度かセクハラを受けたらしいが、本当によく耐え、頑張ってくれたものだ。 「この群れは本当にいい群れなんだぜ! だから……」 ドスの片目が濁る。声までが瘴気を帯びて変色する。 「だからこの群れはみんなマリサたちがもらってやるんだぜ! こんないい群れをマリサたちの物にできるなんて本当にありがとうだぜ!!」 そうして大口を開けて笑声を散らした。ドス側のゆっくりたちも一斉に笑い声を上げる。誰一人言葉を発することなく立ちつくす私たちの間に、それらは響き続けた。 「話の腰を折って悪いんだが」 「ゆ?」 目の前の小さな黒いゆっくりの言葉に、ドスたちの笑いが止まる。 「理解が追いつかないので説明してもらいたい。どうやって群れをもらうつもりなのかな。長の座を譲るつもりは今のところないのでね」 「ゆふン、バカなおチビさんだね! そんなの力づくで乗っ取るに決まってるんだぜ!」 胸を反らして、より一層上から見下ろして、見下して、強奪を宣言する巨大なゆっくり。 「そうだよ、ドスはつよいんだよ!」 「ゆっくりむれをちょうだいね!」 「よわいゆっくりはみんなわたしたちにかしずくのよ!」 腰巾着たちがめいめい太鼓を持つ。またも音声が盛り上がろうとした時、 「しかし」 長が水を注す。またも静かになる場。 「そうなると理屈に合わないな」 考えを巡らす大仰なアクションを取りながら、黒い言葉が紡がれる。 「お前さんたちは人間に完膚無きまでに敗北したんだろう? だから、あんな醜悪な姿をさらしながらあちこち練り歩くはめになったんだ。本当はものすごく弱いのじゃないか? 弱虫に乗っ取りは無理なのじゃないか?」 「ゆぎッ」 ドスが目を剥き、奥歯を食いしめる。長はお尻に触るようなセクハラはしないが、気に障るような嫌がらせは手慣れたものだ。見事に神経を逆撫でた。それとも触れたのは逆鱗か。 「ドス! こんなやつやっつけちゃえ!」 「ドススパークでいっぱつだよ!」 「ころしちゃえっ!」 口々に煽るドスの一派。興奮して大岩の上やその周りに群がって飛び跳ねている者もいる。 ドススパークというのはドスマリサの特殊能力の一つだ。高エネルギー波を口から放出し、攻撃する。 「ドススパーク? 珍妙な名前だな。何にせよ、人間に負ける程度の弱い技では話にならないね。それとも弱いのは、あぁ、頭かな?」 「ゆっぎぃいいいい!! ゆっくり死ねぇえええええッ!!」 ドスの開かれた口腔に白光が生じる。そのまぶしさにまぶたが閉じかけたが、一瞬だった。 ドスは長から顔を逸らすと、大岩に向けてドススパークを発射した。 閃光は爆裂と化し、大岩を大音響と共に粉々に破砕した。しめ縄と多くのゆっくりたちを巻き込んで。 呆気にとられたいくつもの顔が網膜に焼き付いている。なぜドスが自分たちを撃ったのかわからなければ、自分たちがなぜ大岩に群がっていたのかも理解できていなかったろう。 「なかなかの威力だ、だがその程度では倒れてやるわけにはいかんなあ、わはは」 挑発が棒読みになる。しかし、ドスは激高した。長の方は全く見ずに。 再び大きな口が開かれ、光が生じる。視線と口腔の先には残ったゆっくりたちがいる。彼らが律儀に列をなして、声援を送りながら死を迎え入れる様は、シュールな構図だった。 そして、第二射。 ドススパークは自分の仲間約三十を紙のように貫き、森の深くで轟音を立てた。向こうにはちょっとした崖が岩の壁面を作っている。どの程度えぐれたかで、威力を測ることができるだろう。 「同じ技が通用すると思ったかー、今なら土下座すれば許してやらんでもないぞぉ」 「ゆぎぃ! ドスは強いんだよ! うるさいだけのチビ黒さんはつぶれて死んでねッ!」 もうたった一体しか残っていないドスマリサは、長の大根役者並の台詞に乗せられて、体当たりを仕掛けていった。今度は巨木が敵となっていた。ドスン、ドスンと全体重を乗せた攻撃を仕掛けるたび、巨岩以上の直径を持つ幹は揺れ、木の葉が驟雨と降り注ぐ。群れの皆は、黙ってその一人芝居を注視している。 「体力が完全でもやはり三度連続は無理か。しかし、聞いていた以上の威力だったな、眼福眼福」 長もそちらを観劇しながら、話しかけてくる。 「なら、なおさら群れに取り込みたかったんじゃないですか?」 無理とはわかりつつ、聞いてみる。あれだけ無知で傲岸なままで成長しきり、かつ集団をなしていたら、思想・性格をこちらの群れに合わせるのはまず不可能だ。これまで同様、無思慮にゆっくりの群れや人間の村に強奪を仕掛け続け、やがては災禍を招くだろう。しかしそれでも、教育や脅迫でなく、たとえば催眠を掛けることで性格を上書きするとか…… 「俺の能力では無理だな」 こちらの思考を読んだように、長が答える。 「相手のベクトルを少し逸らせてやる程度しかできない。直角を真っ直ぐにするなんて、とてもじゃないが」 と、首を振る。真実か、謙遜か、脆弱の誇張かはわからなかった。 「四二体も暗示を掛けられるのにですか」 「それだって麻薬で酩酊してなければできない芸当さ。それに能力を酷使すると腰に来るんだ。今も腰痛が痛い」 「腰なんて無いでしょう。虚しい虚言ですね」 「しかし残念。至極無念。参謀の言う通りだよ。ドスが一体入れば、この群れは大きな可能性を手に入れられたはずだ」 やれやれ、と軽く息を吐いた。 ドスが群れに接触するのは二度目だが、いずれも群れには引き込めなかったわけだ。群れに害を為す存在である以上、厳格に対処せざるをえない。手心を加えることができるほど、私たちは愚鈍でも強靭でもないのだ。けれど、仕方のないこととはいえ、やはり落胆はするだろう。 巨岩のあった辺りに目を遣ると、岩の破片の隙間に黄褐色の切れ端が覗いていた。 「しめ縄、切れちゃいましたね」 「また作ればいいさ。何度でも作ろう」 「そうですね、もっと大きなものを作りましょう」 ゆげっ、という声に振り向くと、巨木の生々しく折れた太枝の先端に、ドスの巨体が貫かれていた。生命の残滓を漏らすように痙攣している。 合図を送ると控えていた調理班が前に出てきた。絶命を確認後、すぐに解体作業に入るだろう。 「メスで切ったものを包丁でまた切るのは、何だか複雑ですね」 「まあ、手術の腕は上がったろう? ドススパークと同じく、いい経験になったのは確かさ。またあんな感じの改造ゆっくりが来てくれないかな。たくさん来てくれれば千客万来なんだが」 「私にとっては、もうたくさんですし、今後も万難を排したいです」 今度こそ私はため息をついた。全く、不吉なことを言わないでもらいたいものだ。 そんな私の思いが天に通じたかはともかく。 私がドスを最初に目にしたその日が、私が大きな手術をした最後の日になった。 黒ゆっくり3 次 過去作 fuku2894.txt黒ゆっくり1 fuku3225.txt黒ゆっくり2 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1919.html
秋の中頃、朝から山菜採りに山へ来ていた私は、両足の疲労を取るために休息場所を探していた。 山菜は通常3割ほど残して採るのだが、最近は山菜の絶対量が少なく、あまり後に残してやることが出来ない。 登山道から少し外れた、見通しの良い涼しげな空間を見つけたので、重くなった背中の竹籠を置き、遅めの昼食を摂ることにする。 手ごろな大きさの岩に腰掛け、早起きして用意した弁当を広げた。 木々の葉擦れの音を聞きながら、私は食事を 「おにいさん!!それはまりさたちのごはんだよ!!ゆっくりおいていってね!!」 妨害された。 背後から聞こえた耳障りな怒声、声の主など明らかだが、数を確認するために振り向く。 背後には、身体を膨らませて威嚇する成体まりさ(以下まりさ)、口汚く私を罵る成体れいむ(以下れいむ)、にやにやと気持ちの悪い笑みを浮かべたまりさが居た。 弁当の匂いに釣られてやって来たのだろうか。 視界には映らないが、「ゆっくちできにゃいおにいしゃんはちんでにぇ!!」と、舌っ足らずな罵倒も聞こえるので、赤ゆっくりも落ち葉や岩陰に隠れているのだろう。 私はゆっくりの虐待を好むわけでは無いが、だからと言って野生の饅頭と会話する趣味も無い。無論、弁当や山菜を奪おうと飛び掛ってくれば叩き潰すつもりだ。 私は無視を決め込んで食事を始めることにした。 「れいぶのごはんがああぁぁっぁあぁあああ!!!」 「なんでだべぢゃうのおおおおお!!?」 れいむとまりさは涎を垂らしながら私の足元にまとわりついてくる。勿論、岩に座っている私の顔の高さまでは届かないのだが、流石に煩わしいので踏み潰してやろうと片足を上げたとき、 「れいむ!まりさ!そっちじゃないよ!!こっちのごはんをたべようね!!!」 ともう一匹のまりさの声が聞こえた。横目で確認すると、まりさが山菜を入れた竹籠を倒そうと寄りかかっている。 私は溜息を吐きながら、まず山菜を狙うまりさから潰そうと立ち上がり、その瞬間、予想だにしない衝撃を受け、後ろに倒れこんだ。 竹籠の位置から弾かれたように跳躍したまりさが私の腹を強打したのだ。 私は山道の傾斜に抗えずに、木々の間を転がり落ちていった。あのサイズのゆっくりの体当たりとは、とても信じられない威力だ。 土埃を巻き上げながら急いで身体を丸め、両手で木の根を掴み転がる勢いを殺す。擦り傷の痛みを我慢し、上半身を起こすと、得意気に私を見下ろすまりさと目が合った。 「まりさたちのごはんをかってにとるからだよ!!ゆっくりはんせいしてね!!」 発言と同時に、まりさの口内から何かが発射され、驚いた私はとっさに頭を地面に伏せた。 どすんと重量を感じさせる音と共に私の背後に着弾した物体を振り返る。それは、子供の頭ほどもある大きな石だった。 あの饅頭これを咥えてウェイトを増加させてやがったのか!? たかがゆっくりと思って甘く見た。頭の良い個体は、民家へ侵入する際に小石を使って窓を割ったり、投石で攻撃するとも聞くが・・・・ したたかに打った背中をさすりながら荷物の元へ戻ると、倒れた竹籠とひっくり返された弁当箱に赤ゆっくり達が群がっていた。 「むーしゃむーしゃ、しあわちぇー!!」 「こりぇめっちゃうみぇ!!」 「とちぇもゆっくちできるよ!!」 半日の成果を無為にされ、うなだれる私に、先ほど体当たりをしかけたまりさが近寄って来た。 「お前・・・よくも俺の弁当と山菜を・・・・」 今度は油断は無い。まりさの体当たりを警戒しながら、一撃で叩き潰せる範囲まで近づく。 通常のゆっくりならば、攻撃か、逃亡かどちらかの行動に出るだろう。だが、このまりさは再び私の予想を裏切った。 「ゆっ!!ちがうよ!!あのごはんはおにいさんのだけど、このごはんはまりさたちのものだよ!!」 驚きと疑問が、私の足を止めた。このまりさ、物の所有権を理解出来ているのか? 「このごはんだよ!!ゆっくりりかいしてね!!」 まりさが駆け寄ったのは竹籠、つまり、山菜の所有権を主張していることになる。 「このごはんはむれのみんながゆっくりするためにたいせつなものだよ!!おにいさんはとりすぎだよ!!これじゃむれのみんながゆっくりできないよ!!ぷんぷん!!」 「・・・・・・じゃあ、何故俺の弁当、お兄さんのご飯まで食べてるんだ?」 ひっくり返った弁当箱を、指し示す。まりさは、ぷくーっ、っと擬音じみた台詞と共に膨らみ、怒りをアピールした。 「やまのるーるをまもれないおにいさんへのばつだよ!!ゆっくりりかいしてね!!みんなでゆっくりするためだよ!!」 真に正論である。ルール違反に罰を与える旨の発言をすると言うことは、この辺りの群れのリーダーだろうか。随分と頭の良いゆっくりが居たものである。 「なにいってるの?れいむがみつけたんだかられいむのものだよ?ばかなの?」 「おいしいごはんは、このまりささまによこすのがあたりまえなんだぜ!!」 だが、弁当を貪っているれいむとまりさはご飯粒を顔中に引っ付けたままゲラゲラと笑っている。何処の集団にも問題児は居るものだ。 その二匹は無視し、目の前のまりさに向き直る。 「ああ、分かった。山菜を取りすぎて悪かったな」 「ゆっ!!わかればいいんだよ!!おにいさんもるーるをまもってゆっくりしようね!!もうやまのごはんはとりすぎちゃだめだよ!!」 まりさは右目を閉じ、高めの声で「ゆっ!」と鳴いた。ウインクのつもりなのだろう、本当に芸達者なゆっくりである。 まさか饅頭に説教される日が来るとは思わなかった。私は、行き過ぎた人間の行動が山の生態系にダメージを与えることを認識し、心から詫びた。 「ゆぶげえぇっっ!!?」 そして全力でまりさを蹴り飛ばす!! 「どうじでごんなごどずるのおおおぉぉ!?ばんぜいじだんじゃないのおおおお!!?」 どうしてだって?なまじ頭が良いだけに、俺の行動が理解出来ないんだろうな。 まず、この山の山菜は昔から村人の食料になっていること、人間は山菜を全滅させないよう採取量は加減し、山の動物達と共存してきた。 では何故最近になって山菜の量が減った?その原因は間違いなく目の前の饅頭どもだ。ゆっくり達が現れる前は、人間も動物も十分に山菜を得ることが出来たのだから。 次に、俺に攻撃をしかけたことだ。山菜の採り過ぎと言う罪を犯した俺に対して、一歩間違えば死にかねない攻撃を仕掛けてきた。明らかに罪と罰の重みが釣り合っていない。 確かに饅頭どもにとっては食料の減少は死活問題だから、ゆっくりのルールでは極刑でもおかしくないのかもしれないが・・・・・ そんなこと人間の俺には知ったことじゃない、それが最後の理由だ。 そう、俺が人間であり、野生動物の理屈を踏みつけながら生息圏を広げて来たのが人間と言う生き物だからだ。 初めから、野生動物が正当性を持っているかどうかなど問題ではなかったのだ。 山菜が食われてしまった分、食料の確保が必要だ。 私は、餡子を吐き出し痙攣しながら呻くまりさを尻目に、弁当を貪るれいむとまりさを捕まえ、いまだ赤ゆっくりが山菜を貪る竹籠に放り込んだ。 竹籠を背負い山を降りる私の背中に、まりさの怨嗟の声がいつまでも投げかけられていた。 続く このSSに感想を付ける